◆第107回全国高校野球選手権大会第14日 ▽準決勝 沖縄尚学5―4山梨学院(21日・甲子園)

 届かなかった日本一への思いを託した。山梨学院のエース・菰田陽生は試合が終わると、沖縄尚学・末吉良丞のもとに歩み寄った。

「同じ2年生として戦ってきて、次勝って優勝してほしい」。悔しさをこらえ、エールを送った。

 今大会4試合目の先発となった剛腕に、想定外のアクシデントが襲った。1点リードの初回2死二塁。4番・宜野座恵夢(えいむ)への2球目に、引っかけた直球が捕手の前でワンバウンドした。暴投で走者が進んだが、この時右肘の内側に違和感が生じた。「指のかかり具合が…(おかしかった)」。その2球後に同点の左前適時打を浴びた。1回2安打1失点、わずか16球で降板し、一塁の守備へ。2番手の檜垣瑠輝斗が6、7回に4失点して力尽きた。

 150キロの速球と豪快な打撃で話題をさらった二刀流。「もう一回、3年生と(試合が)やりたかった」と涙を浮かべた。

甲子園の土は持ち帰らなかった。「自分の全て(の技術)を上げていかないといけない。あと2回チャンスがあるので、絶対に戻ってきたい」。成長した姿でのリベンジを誓った。(高澤 孝介)

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