◆パ・リーグ ロッテ12―10楽天(21日・ZOZOマリン)

 しゃく熱のマウンドで踏ん張る後輩の頑張りが、記録達成への弾みになった。4番・DHで先発したロッテ・山口航輝外野手(25)はプロ初先発の吉川が気になっていた。

「ちょっと緊張していたように見えたので先に点を取ってあげたかった」。初回2死三塁で左越えに先制の5号2ランを放つと、4回無死一塁で左越えに6号2ラン。この回2打席目となった2死一、三塁でも左翼席へ7号3ランを放った。史上22人目の1イニング2本塁打は、20日の同戦第4打席から続くパ・リーグタイ記録となる史上15人目の4打席連続本塁打。「奇跡です」と笑った。

 22年に16本塁打、23年に14本塁打を放ち右の長距離砲として期待されているが今季は調子が上がらず、6月4日に出場選手登録を抹消された。ファームでは「汗をかくことを意識してやっていました」。福浦2軍監督、堀打撃コーチとタイミングを合わせる練習に取り組み、5日の再昇格後は9試合で7発。今カードは3戦連発どころか、3戦5発の大当たりだ。吉井監督は「元々打てる選手。元の山口、それ以上になった」と目を細めた。

 ヤクルト・村上が持つ5打席連続本塁打がかかった7回の第4打席。

ベンチ裏で準備していると山本から声をかけられた。「あと1本打てば神様、仏様、“村神様”、山口様になれますよ」。その言葉で力んだのか、空振り三振で村上には並べなかったが「奇跡ですね。今を頑張らないと明日はないので」と前を向いた。残り36試合。打ちまくって“山口様”と呼ばれるチャンスは十分にある。(秋本 正己)

◆史上15人目…記録室

 山口(ロ)が20日楽天戦の第4打席から、この日の第3打席まで4打席連続本塁打。4打数連続本塁打は、22年7月31日、8月2日に5打席連続の村上(ヤ)を含め、23人目24度目。四死球を挟まず、連続打席で記録したのは15人目(15度)。パで4打席連続本塁打は、97年6月21日近鉄戦で4打席連続のウィルソン(日)以来7人目のタイ記録。球団では、71年7月3、4日東映戦の醍醐猛夫に次いで2人目になる。

 この日の4回には2本の本塁打をマーク。

1イニング2本塁打は、22年6月12日巨人戦の2回に記録した辰己(楽)以来、22人目24度目のプロ野球タイ記録。パでは10人目11度目(1リーグ1人1度、セ11人12度)。球団では初めてになる。

 過去5人しかいない1試合4本塁打の期待もかかったが、第4打席は三振に終わり、プロ野球記録の5打席連発、1試合4発には届かなかった。(福山 智紀)

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