◆JERAセ・リーグ ヤクルト1―7巨人(21日・神宮)
ヤクルト・中村悠平捕手(35)が節目の記録にたどり着いた。0―6の3回先頭で田中将から左前打を放ち史上326人目となる通算1000安打を達成し記念のボードを掲げた。
福井商から2008年ドラフト3位で入団。3年目までは「ついていくことに必死だった」と振り返る。周囲のレベルの高さに戸惑いながらも地道な努力を重ねて4年目の12年に91試合に出場。ここから正捕手への階段を歩むこととなった。「大きなけがをせず1年、1年必死にやってきた結果。捕手をやりながら達成できたことはすごく大きなこと」。捕手は体が資本。強烈なファウルが顔面を襲って首を痛めたこともある。小さなけがは数えればきりがない。試合で負ければ責任を追う。
「捕手をやっていなければ僕の打撃では1000安打は達成できなかった」。配球や投手のクセなど捕手ならではの視点を生かして安打を積み重ね、勲章を手に入れた。
7回にも左前打を放ち、1001安打目をマークしたベテランは「長い間、現役でやりたい。そのためには結果を残していきたい」と今後を見据える。今回の節目はあくまで「通過点」。17年目の35歳。まだまだ第一線で戦う心構えはできている。(長井 毅)