◆パ・リーグ 日本ハム0―10オリックス(21日・エスコンフィールド)

 無理をして全力疾走する必要がなかった。「みんなでつないでつないで、その流れで打たせてもらった。

打った瞬間です」。オリックス・西川龍馬外野手(30)が確信したのは2回だ。

 3点を先取し、さらに広がった2死一、二塁のチャンス。「割り切って、とりあえず初球…」とバーヘイゲンの149キロをたたいた。右翼席へ5号3ラン。チームとして19年6月23日の広島戦(マツダ・9得点)以来となる、1イニング8得点にもつなげた。

 左足首を負傷したのが7月1日の西武戦(那覇)。球団の了承を得た上で、離脱直後に関東の治療院へ向かった。「速攻で治してください」。患部はふくらはぎと同じ太さまで腫れ上がり、毎日が激痛との闘いだった。微弱電流で回復を促し、最善を尽くした。「粘っておくから。

焦るなって言いたいけど、なるべく早く戻ってきてほしい」。大阪へ戻ると、岸田監督とも対面。指揮官の苦しそうな表情に触れ、1軍への思いを強くした。

 19日の日本ハム戦(エスコン)で復帰し、3試合すべてで安打を記録。チームの連敗も2で止まり「やっと勝ったから、ホッとしたのが一番ですね」と表情を崩した。今季初の1試合4本塁打。5回に12号ソロを放った中川も4戦連発と絶好調モードだ。22日から3ゲーム差の4位・楽天と敵地で3連戦。天才のバットが原動力になる。(長田 亨)

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