◆JERA セ・リーグ 巨人8―1DeNA(22日・東京ドーム)

 ポンとグラブをたたき、横川はホッとしたような笑みをこぼした。1―0の5回。

2死から四球を与えたが、桑原をスライダーで三ゴロに料理した。今季最多91球で5回4安打無失点で今季初勝利。先発での勝利は昨年4月27日のDeNA(横浜)以来482日ぶりで「チャンスをいただけて次につながるような投球をと思っていた」とかみ締めた。

 粘った。蓄積疲労による山崎の登録抹消に伴い、チャンスが巡ってきた。初回先頭から連打を浴び、3回にも2死から連打を許したが、決定打は許さなかった。「ゾーン内で勝負する、というところで投げきれない感じがあった」と球数を要したが、「甲斐さんが我慢強くいこうと言ってくださり励みになった」と女房役に感謝。6つの三振を奪い要所を締めた。

 声援に胸が熱くなった。開幕前、3月15日のドジャースとのプレシーズンゲーム(東京D)。同期の戸郷が先発する中、2軍調整中の横川は父・拡生(ひろき)さんと観戦した。2階席でファンに交ざり、気づいた。

「ファンの方が1球1球声援を送って一喜一憂しながら見ていた。それだけ熱い気持ちで応援してくれている」。この日を機に「マウンドに立つ責任感や応援してくれる人たちのありがたみを感じて1球1球を大事にしよう」と強く決意した。

 春夏連覇を達成した大阪桐蔭時代から応援に背中を押されてきた。夏の甲子園決勝の前日に待望の今季1勝目。お立ち台では岡本に「声が小さい!」とつっこまれながら、「マウンドで声援が聞こえて背中を押していただいて感謝しています」と実感を込め、スタンドを見渡した。(水上 智恵)

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