◆JERA セ・リーグ 巨人8―1DeNA(22日・東京ドーム)
ポンとグラブをたたき、横川はホッとしたような笑みをこぼした。1―0の5回。
粘った。蓄積疲労による山崎の登録抹消に伴い、チャンスが巡ってきた。初回先頭から連打を浴び、3回にも2死から連打を許したが、決定打は許さなかった。「ゾーン内で勝負する、というところで投げきれない感じがあった」と球数を要したが、「甲斐さんが我慢強くいこうと言ってくださり励みになった」と女房役に感謝。6つの三振を奪い要所を締めた。
声援に胸が熱くなった。開幕前、3月15日のドジャースとのプレシーズンゲーム(東京D)。同期の戸郷が先発する中、2軍調整中の横川は父・拡生(ひろき)さんと観戦した。2階席でファンに交ざり、気づいた。
春夏連覇を達成した大阪桐蔭時代から応援に背中を押されてきた。夏の甲子園決勝の前日に待望の今季1勝目。お立ち台では岡本に「声が小さい!」とつっこまれながら、「マウンドで声援が聞こえて背中を押していただいて感謝しています」と実感を込め、スタンドを見渡した。(水上 智恵)