◆米大リーグ パドレス5―1ドジャース(23日、米カリフォルニア州サンディエゴ=ペトコパーク)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が23日(日本時間24日)、今季最後の首位攻防3連戦の2戦目となる敵地パドレス戦に「1番・DH」で先発出場したが、4打数無安打に終わった。8月初の2試合連続ノーヒットで、連続試合出塁も19でストップ。
大谷の“沈黙”が相手を勢いづけた。単独首位の座をかけた大一番の初回先頭。左腕コルテスの外角低めスライダーにバットが空を切ると、敵地は割れんばかりの歓声に包まれた。相手先発は「あの大歓声はまるでビデオゲームの中のような感覚で、素晴らしい気分だった」と調子づくと、6回途中まで完全投球。ド軍打線は計2安打1得点に沈み、2連敗で14日以来9日ぶりに2位転落となった。
前日もダルビッシュに6回までソロ1発の1安打に抑えられ、この日も6回1死にロハスが右前打を放つまで沈黙。メジャー公式サイトによれば「対戦した先発投手に連続した試合で6回以上を1安打以下に抑えられたのは少なくともロサンゼルスに移転した58年以降で初めて」だという。
屈辱的な敗戦にロバーツ監督も“ダメ出し”を連発した。大一番で歴史的な貧打となった打線に「失望ではなく、これは驚きに近い感覚だ。今は8月の終わりで、見栄えはどうあれ結果を出さないといけない」とバッサリ。
大谷が打線に与える影響は大きい。この日は4打数無安打に終わり、8月初の2試合連続ノーヒット。連続試合出塁も19で途切れた。大谷が出塁できなかった試合は今季20戦あり、チームは勝率4割の8勝12敗、7割にあたる14試合は3得点以下だ。両リーグトップ独走の120得点を稼ぐリードオフマンの出塁は、チームの得点力に直結している。
運命の24日(同25日)は、宿敵との今季最終決戦で、チーム最多11勝目を期すエース右腕・山本に託す。勝った方に地区Vマジックが点灯し、ドジャースが勝てば「31」となる。絶対に落とせない天王山。昨季MVPの大谷も、ここ一番で意地を見せる。(竹内 夏紀)