◆高校野球秋季大会静岡県予選 ▽敗者復活戦 静岡北0―3常葉大橘(24日・草薙球場)

 代表決定戦と敗者復活戦の計13試合が行われた。常葉大橘はエース右腕・小川颯佑(そうすけ、2年)が8安打を浴びながら11奪三振で初完封。

3―0で静岡北を下し6年連続の県切符獲得となった。

  橘の1番を背負う小川が9回104球を1人で投げ抜き、スコアボードに0を並べた。17日の科学技術との1回戦(6〇2)で完投しているが、「完封は初めてです」とニッコリ。練習試合でも経験はなく、片平恭介監督(37)は「これを自信にしてくれれば」と期待をこめた。

 23日の藤枝明誠との代表決定戦でも先発。5回6失点と打ち込まれ、0―7で7回コールド負けした。連投で疲労もあったが、「自分が投げるしかない」と、エースの自覚を胸に登板。球速は120キロ台ながら、抜群の制球力でコースを突いた。

 負けると終わり。県大会出場が消える。昨秋は県8強と結果を残したが、今春は初戦で藤枝東に5―6で逆転負けを喫している。新チームに切り替わり、同じ失敗を繰り返すわけにはいかなかった。

 初回こそ3者連続三振で抑えたが、2回以降は毎回走者を許した。それでもマウンドで粘る。4回には3連打を浴びて1死満塁のピンチも、「1点ならOK」と開き直り、2者連続三振で切り抜けた。

 緩急を使い、勝負どころでは胸元を速球で突く。終わってみれば、8安打を許しながらも11奪三振。「打たれても0点に抑えてくれるんです」と監督は褒めた。

 もっとも、小川は「このままでは県大会では通用しない」と反省も。打線も6回2死までノーヒット。計3安打に抑えられた。「チーム力を高めないと」と、投打両面のレベルアップを誓った。(里見 祐司)

 〇…敗者復活戦で清水桜が丘は島田を7回コールドで下し、2年ぶりに県大会出場を決めた。先発したエースの安西陸来(2年)は3回1失点と今ひとつだったが、1―0の初回1死二、三塁で中前に落とすなど、5番打者としてバッティングで大きく貢献。

今大会からユニホームがクリーム色から濃いベージュに変わっており、「新鮮です」。前身の清水商のOBで、変更を決めた松下雄彦監督(44)は「次に進めて良かった。チームが形になってきました」と目を細めていた。

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