ナ・リーグの首位打者争いが低レベルで推移している。現地24日現在、ドジャースのフレディ・フリーマン内野手が3割2厘、フィリーズのトレイ・ターナー内野手が3割ジャストと3割台は2人だけだ。
その1968年ア・リーグでは、終盤3割打者不在の首位打者レースが繰り広げられていた。
序盤はセネタースの右打ちのスラッガー、フランク・ハワード外野手(1974年太平洋在籍)が6月9日まで打率3割4分2厘、22本塁打、47打点と打撃3部門トップを走っていたが、夏場以降打率を落としていった。代わりに1964、65年と新人年から2年連続首位打者となったツインズのトニー・オリバ外野手が8月に入り抜け出して16日に3割7厘まで引き上げトップに浮上。
ところが24日に2割台に転落すると3割打者が誰もいなくなった。前年の1967年に3冠王に輝いたヤストレムスキーは、5月に打ちまくって6月3日には3割5分1厘まで引き上げたが、その後は不振で7月1日に2割台に落とし、8月13日時点では2割6分9厘まで下がっていた。
オリバは2割8分9厘まで落とし持病の膝の悪化で9月全休となる。一方のヤストレムスキーは8月末で2割8分5厘だったが、9月に入って11日のアスレチックス戦で9月2度目の4安打で打率3割に浮上。13日には一度2割9分9厘となったが、翌日再び3割に乗せると11試合連続安打などで3割台をキープし、最終戦5打数無安打だったが3割1厘でのフィニッシュだった。
つまり8月24日から9月10日までの18日間連続、ア・リーグは打率3割不在のバットマンレースだった。
ちなみに昨年のナ・リーグもトップが3割2厘だった時期があった。パドレスのルイス・アラエス内野手は8月中何度も3割2厘まで落としたものの、そこで食い止めて最終的に3割1分4厘で3年連続首位打者のタイトル獲得だった。
今年のナ・リーグの首位打者争いがどんな展開になるのか、孫がロイヤルズでプレーしているヤストレムスキーはどんな思いで見ているだろうか?
※参考資料 ベースボールリファレンス
蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)