今夏の高校野球南北海道大会で準優勝した札幌日大の最速148キロ右腕・窪田洋祐(3年)が27日、北海道高野連にプロ志望届を提出した。抜群の身体能力が武器で、投打でNPBスカウトから注目される逸材。

指名されれば、人口約4500人の由仁町から初のプロ野球選手誕生となる。

 迷いはなかった。幼い頃から、元日本ハムの大谷翔平ドジャース)、中田翔(中日)らに憧れて白球を追いかけてきた窪田。地元で活躍する数々のスター選手と同じ高卒でのプロ入りこそ、目指すべき道だった。26日にプロ志望届に名前を記入し、「プロを目指すところまでこれたのは、素直にうれしい」とはにかんだ。

 昨夏は、2年生4番として甲子園に出場した。今年からは中学まで主戦場にしていた投手もこなし、二刀流に挑戦。左手首を痛めた影響で春は投手に専念した。夏から打者としても出場したが、「感覚のズレを直し切れなかった」。それでも、投手としては南大会決勝の北海戦で148キロをマークするなど、ポテンシャルの高さは見せつけた。

 同大会決勝で敗戦後、すぐに練習を再開。引退後の夏休みも同級生からの遊びの誘いを断り、次のステージに向かうためにできる限りの時間を野球に捧げてきた。

後輩たちの練習に参加しながら筋力量などの数値で目標を設定。垂直跳び89センチ、スイングスピード164キロという高校生離れした数値をたたき出す肉体に磨きをかけている。

 支配下であればプロ、それ以外の場合は大学進学を予定。各球団で投手、野手への評価が分かれているが、「評価していただいたところで」とポジション、二刀流へのこだわりはない。

 指名されれば、生まれてから中学卒業までを過ごした由仁町から初のプロ野球選手誕生だ。「田舎からでもプロになれるんだと思ってくれる小中学生がいてくれれば、すごくうれしい。そこにやる気を感じる」。運命の日まで約2か月。北のフィジカルモンスターは名前が呼ばれることを信じて10月23日を迎える。(島山 知房)

  ◆窪田 洋祐(くぼた・ようすけ)2007年7月31日、由仁町出身。18歳。由仁小1年時に由仁ファイターズで野球を始める。

由仁中では軟式野球部に所属し、U14北海道選抜に選出された。札幌日大では1年秋の地区予選で初めてベンチ入り。昨夏の甲子園1回戦の京都国際戦は4番・センターでフル出場。今夏は背番号1で南北海道大会2年連続決勝進出に貢献した。186センチ、88キロ。右投右打。家族は両親と姉、兄、弟2人。

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