◆JERA セ・リーグ 阪神5―4巨人(31日・甲子園

 巨人が阪神に逆転負けを喫し、カード勝ち越しを逃した。1点を追う7回、阿部慎之助監督(46)がエンドランや代打攻勢を仕掛け、昨季から7連敗中の天敵・才木を攻略。

5連打で3点を奪って逆転に成功したが、その裏に外野手が紙一重でアウトをとりきれず、3連続適時打で再逆転された。借金は今季ワーストタイの3となり、勝った3位・DeNAとは1・5ゲーム差に。2日からは京セラD、岐阜でヤクルト3連戦に臨む。

 あと一歩、阪神に届きそうで届かなかった。紙一重のプレーの連続で4―5で敗戦。今季最後の敵地での伝統の一戦は3連戦全て1点差で1勝2敗と負け越した。試合後、左翼席の巨人ファンの前でナインと整列し、甲子園最終戦のあいさつとして頭を下げた阿部監督。その後、ベンチ裏の報道陣の前で「(チームを)勝たせてあげられませんでした。すみません」とだけコメントし、約10秒ほどで囲み取材を切り上げた。

 6回までは0―1の投手戦。終盤に目まぐるしく試合が動いた。まずは7回の攻撃だ。

1死一塁、中山がヒットエンドランの左前安打で一、三塁に。足を絡めた攻めの采配が的中し、代打・大城卓、若林、代打・キャベッジが3連続適時打で続いた。計5連打で試合前まで今季4戦4敗だった天敵・才木から3得点して逆転した。大城卓の右中間適時二塁打では一塁走者の中山が本塁タッチアウト。際どいタイミングだったが、リクエストでも覆らなかった。

 その裏、2点リードで中川が登板したが、2死二、三塁から中野の中前のライナーをオコエが前進ダイビングも捕球できず、2点二塁打で同点。続く森下の左翼後方の大飛球は左翼・若林がフェンスに激突しながら捕球できず、勝ち越し三塁打となった。さらに佐藤輝の右翼ポール際の飛球に対して中山が目測を誤り、エンタイトル適時二塁打に。外野手の球際での悔しいプレーが3つ続き、一挙4失点で逆転された。

 松本外野守備兼走塁コーチはオコエについて「何とか捕りにいく気持ちがすごい出ていた」とし、右翼から左翼への浜風に苦戦した中山のプレーには「風も頭には入っていると思う。守っている以上は何とか捕ってほしかった」とコメントした。中山は本職は内野手で外野に挑戦中。

苦い経験を今後の糧にするしかない。

 2点を追う9回は2死から満塁とし、代打・坂本の三ゴロを処理した佐藤輝の二塁送球がそれて右翼・森下の前まで転がった(記録は野選)。1点は入ったが、二塁走者の若林は三塁ストップ。ゴロを捕球した佐藤輝にタッチされることを警戒して二、三塁間で減速したことが響き、本塁にかえれなかった。

 借金3で阪神と16差。3位・DeNAに1・5差に迫られた。今季の阪神戦は1試合を残して7勝17敗で、24戦中14試合が1点差。接戦が多い中、走攻守でのあと1メートル、あと数センチの差が対戦成績の大差になっている。この先のポストシーズンを見据えても、細かい部分の詰めの甘さを修正する必要がありそうだ。(片岡 優帆)

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