巨人が阪神に逆転負けを喫し、カード勝ち越しを逃した。1点を追う7回、阿部慎之助監督(46)がエンドランや代打攻勢を仕掛け、昨季から7連敗中の天敵・才木を攻略。
あと一歩、阪神に届きそうで届かなかった。紙一重のプレーの連続で4―5で敗戦。今季最後の敵地での伝統の一戦は3連戦全て1点差で1勝2敗と負け越した。試合後、左翼席の巨人ファンの前でナインと整列し、甲子園最終戦のあいさつとして頭を下げた阿部監督。その後、ベンチ裏の報道陣の前で「(チームを)勝たせてあげられませんでした。すみません」とだけコメントし、約10秒ほどで囲み取材を切り上げた。
6回までは0―1の投手戦。終盤に目まぐるしく試合が動いた。まずは7回の攻撃だ。
その裏、2点リードで中川が登板したが、2死二、三塁から中野の中前のライナーをオコエが前進ダイビングも捕球できず、2点二塁打で同点。続く森下の左翼後方の大飛球は左翼・若林がフェンスに激突しながら捕球できず、勝ち越し三塁打となった。さらに佐藤輝の右翼ポール際の飛球に対して中山が目測を誤り、エンタイトル適時二塁打に。外野手の球際での悔しいプレーが3つ続き、一挙4失点で逆転された。
松本外野守備兼走塁コーチはオコエについて「何とか捕りにいく気持ちがすごい出ていた」とし、右翼から左翼への浜風に苦戦した中山のプレーには「風も頭には入っていると思う。守っている以上は何とか捕ってほしかった」とコメントした。中山は本職は内野手で外野に挑戦中。
2点を追う9回は2死から満塁とし、代打・坂本の三ゴロを処理した佐藤輝の二塁送球がそれて右翼・森下の前まで転がった(記録は野選)。1点は入ったが、二塁走者の若林は三塁ストップ。ゴロを捕球した佐藤輝にタッチされることを警戒して二、三塁間で減速したことが響き、本塁にかえれなかった。
借金3で阪神と16差。3位・DeNAに1・5差に迫られた。今季の阪神戦は1試合を残して7勝17敗で、24戦中14試合が1点差。接戦が多い中、走攻守でのあと1メートル、あと数センチの差が対戦成績の大差になっている。この先のポストシーズンを見据えても、細かい部分の詰めの甘さを修正する必要がありそうだ。(片岡 優帆)