パ・リーグ 日本ハム0―1楽天(31日・エスコンフィールド)

 鋭い打球への歓声が、一瞬でため息に変わった。1点を追う延長11回、1死二、三塁。

五十幡の打球は前進守備の二塁正面への低いライナーだった。ギャンブルスタートを切っていた走者も戻れず、併殺で試合終了。新庄監督は「あと1センチ、ボールの下面を削ってくれたら。あんだけ(内野が)前に来てたんでね。でも、いいバッティングしましたよ」と振り返った。

 打てる手は全て打った。11回、先頭の石井が中越え二塁打で出塁すると代走・矢沢を起用。万波に代打・山県を送り、「まずは同点でしょ」と犠打で1死三塁とした。続く代打・水谷が四球を選ぶと、すかさず代走・水野。二盗で1死二、三塁と一打サヨナラまで追い詰めた。最後は裏目に出たが「ギャンブル(スタート)。そらギャンブルでしょ」と迷いはなかった。

得意楽天に連敗 守っても7回にスクイズを外して阻止するなど、集中力高く戦ったが今季16勝6敗1分けの“お得意様”楽天に痛い連敗。敗れたソフトバンクとの1ゲーム差を詰めることはできなかった。それでも指揮官は「終わったことはすぐ忘れて、また千葉から、勝ち続けたいなという気持ちで戦います」。下を向くことなく、勝負の9月へ突入する。(山口 泰史)

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