ヤクルト・高津臣吾監督(56)が今季限りで退任することが1日までに分かった。球団から来季の再契約について「優勝が条件」と厳命されていたが、V逸が決定し果たせなかった。

後任は内部昇格が基本線とみられ、池山隆寛2軍監督(59)が最有力候補に挙がる。また、20年から現職に就く小川淳司GM(68)も今年限りで退任し、同職の後任は青木宣親GM特別補佐(43)の昇格が有力となっていることが判明。フロントも刷新され、転換期を迎えることになりそうだ。

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 現役時代の青木GM特別補佐は“諦めの悪い男”だった。米国、日本の両方で頭部死球を受けた影響で打撃不振に陥ったこともある。175センチ、80キロ。プロとしては決して大きくない体で全力プレーを見せてきた代償も大きく、故障も数多く経験した。周囲から「無理だ」と言われたことは一度や二度ではなかったという。その度に、決して「諦めない」という信念を貫き、日米通算2730安打を積み上げた。

 今オフのメジャー挑戦が確実な村上の穴埋め問題をはじめ、先発陣の整備など課題は山積する。チーム再建の道のりは長く、険しいだろう。ミスター・スワローズが21年間のプロ生活で培った「諦めない」根性は、低迷するツバメ軍団の浮上に必要なスピリットだ。

 ◆青木 宣親(あおき・のりちか)1982年1月5日、宮崎県出身。43歳。日向、早大を経て2003年ドラフト4巡目でヤクルト入団。05、10年に年間200安打。11年オフ、ポスティングシステムでメジャー移籍。米7球団を経て18年ヤクルト復帰。24年限りで引退。NPB通算1724試合で打率3割1分3厘、145本塁打、667打点。MLB通算759試合で打率2割8分5厘、33本塁打、219打点。右投左打。

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