◆JERA セ・リーグ 阪神5―4巨人(31日・甲子園

 横川は一息つくと、汗を拭いベンチヘ堂々と歩いた。1点を追う5回。

安打と自らの犠打野選で無死一、二塁。しかし近本を左飛、続く中野をカットボールで二ゴロ併殺に冷静に仕留めた。ピンチを切り抜けると、ポンとグラブをたたいた。

 6回に安打と四球で1死一、三塁として降板。5回1/3を投げ6安打1失点と何とか試合を作った。「反省点はありますが、走者を出しながらも最少失点で粘ることができた。最後ピンチで降板してしまい悔しいですが、(田中)瑛斗さんに助けてもらい感謝です」と頭を下げた。

 猛虎打線相手に粘った。3回1死一、二塁で森下に先制の左前適時打を浴びた。それでも1、4回以外は走者を背負いながらカーブ、カットなど多彩な変化球を丁寧に投げ込み最少失点。「最後まで投げ切れてないので、ツメの甘さはすごい感じましたし、力不足」と満足はしなかった。

 この日は両親がスタンドで観戦。

登板前日の30日は自身の誕生日だった。父・拡生さんは「明日は(横川の)姉の誕生日。2人の生まれた日に挟まれた日が今日なんですよ」と語る。「感謝を勝ちで表せたら」と語っていた左腕。勝ち星は贈れなかったが、特別な日にたくましい姿を両親へ届けた。(水上 智恵)

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