富士市の駿河男児ジムが7日、グランシップ静岡でプロボクシングのイベント「Desafio12」を開催する。8試合を予定し、メインイベントでは木村蓮太朗(28、飛龍高―東洋大)がリ・ジャーミン(34、中国)と対戦。

計量オーバーなどの失敗を乗り越えたエースが、4試合連続のKO勝利を狙う。

 毎年、地元の富士市で大会を開いてきた駿河男児ジムが、県の中心・静岡市に初めて進出する。会場は4500人を収容できる大ホール。メインを務める木村は「大きい会場を盛り上げたい」と自信の笑顔。「体調は今までで一番いいです。絶好調。倒して勝ちます」と宣言した。

 20年のデビューから11戦10勝1敗。だが昨年5月のプロ第9戦でつまずいた。前日計量で1・5キロ超過。「今までは根性で(体重を)落とせると思っていた。でも甘かった。

体がけいれんし、目もクラクラした」。相手もオーバーしており、契約体重を変更した翌日の試合は1回KO勝ちしたものの、6か月のライセンス停止処分を受けた。

 その後、家族と前島正晃会長(46)、スポンサーを交えて会談。再起を誓い、私生活を見直した。今までは競技だけに専念できる環境だったが、函南町の実家に戻り、仕事にも就いた。「朝起きて、昼に働いて、夜練習する。ガラリと変わり、いい方向になってきました」。今年1月の再起戦で1回KO勝ち。5月の試合も倒して勝った。

 神奈川の大橋ジムにも出稽古に行き、スパーリングを積んできた。「不安要素がない。いつタイトル戦が来ても大丈夫」と前島会長も信頼する。

木村がグランシップで新たな一歩を踏み出す。(里見 祐司)

 ◇全8試合 駿河男児ジムからはマーク・ビセレス、岩下千紘、湯川成美、白井優成も出場。WBOアジア・パシフィック女子ライトフライ級王者・池本夢実(川根本町出身、常葉菊川高―琉球大、琉球ジム)の防衛戦も行われる。 

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