◆JERA セ・リーグ 巨人4―1ヤクルト(2日・京セラドーム)
巨人・戸郷翔征投手(25)は、帽子のつばを握り締め、集中力を研ぎ澄ませた。同点の5回。
2死から長岡に右翼線二塁打を浴びて、内山、村上へ2者連続四球で大ピンチ。ひと呼吸置くと、オスナを149キロ直球で遊ゴロに打ち取り、フッと息を吐いた。6回、114球を投げ、自己ワーストタイとなる6四球。それでも1失点に抑え、5勝目でヤクルト戦は自身5連勝。「反省点が多いですけど、勝ちがついたことはうれしい」と、汗をぬぐった。
なんとか粘った。初回、150キロ超えを連発しながらも、1死から3者連続四球で満塁のピンチ。それでもオスナをこの日の最速152キロの直球で三ゴロ併殺に仕留めた。3回2死二塁、村上に対して、捕手・岸田が外角へボール球を要求も真ん中に入り、中前適時打で先制点を奪われた。なんとか最少失点に抑えたが「制御もできなかったですし、ゾーン内に操れなかった。悪い立ち上がりだったので粘りながら1失点に抑えましたけど、課題は残る投球だった」と満足はしなかった。
今季は開幕投手を担い、エースとしての期待を背負いながらも2度の2軍降格を経験した。
「途中でカード頭を投げることができなくなったし、その時点で僕の信頼はなくなったって分かっている」と受け止める。「もちろん、悔しいですし、その時の気持ちは忘れないですけど、逆に振り切れるチャンスだと思ってやります」。エースとしての信頼を取り戻すべく、泥臭くチームの勝ちのために腕を振る。「今日のような投球がないように修正したい」と背番号20。次こそは納得した形で白星を手にする。(水上 智恵)