◆JERA セ・リーグ 巨人5―3ヤクルト(3日・京セラドーム大阪)

 絶対ゼロに抑える―。7回2死一塁、田中瑛が思いを込めたフルカウントからの6球目に打者のバットが空を切った。

7回から登板し、1回無失点で30ホールド(H)に到達。40H目を挙げた大勢、すでに30Hの中川と、球団史上初めて3選手が同一シーズンで30Hに到達する快挙を達成した。

 昨年まで日本ハムに所属し、通算0H。現役ドラフトで加入し、阿部監督がほれ込んだシュートの割合を増やして大変身を遂げた。「シュートで右打者を詰まらせるというのは何にも代え難い気持ちよさがある。ぜひ、これからも見てもらいたい」。最大の武器を身につけ、一気に飛躍した。

 大勢は今季、主戦場を9回から8回に移し、シーズン前に指揮官から「最優秀中継ぎ投手賞」獲得指令を受けた。役割は変わっても「勝ちに貢献するようにやっていて、そこを任せられている責任感がモチベーションにつながっている」。54登板でリーグ最多40Hを積み重ねている。

 52登板の中川は「それだけいい場面で投げてるという証拠になる」。30Hトリオ誕生はブルペン陣の奮闘の象徴だ。

(臼井 恭香)

編集部おすすめ