◆パ・リーグ ソフトバンク7―1オリックス(3日・みずほペイペイドーム)
ソフトバンク打線が面白いようにつながった。2回に打者9人の6長短打で一挙5点を奪った。
ビッグイニングの足がかりは、またしても中村、今宮の百戦錬磨コンビがやってのけた。2日の試合は代打の切り札として7回に同点打を放った中村が先頭で二塁打。「去年生まれた愛する息子の誕生日だったので絶対に勝ちたいと。何とか活躍を届けられれば」と、自宅で待つ長男の1歳のバースデーに発奮した。3回先頭でも三塁打、7回にも安打で準サイクル。「ホームランを狙ってなかったといえばウソになりますけど、甘くなかったです」と35歳の新米パパは苦笑いした。
2回無死一、三塁で先制タイムリーを放ったのは34歳の今宮だ。「(前進守備でなかったため)ダブルプレーでも1点が入るので思い切っていくことができた」と16年目のベテランらしい冷静な判断。前夜の8回の決勝打に続く勝負強さを見せた。
マジック点灯にリーチをかけていた8月22日からの日本ハム3連戦で3連敗を喫して、3・5ゲーム差を一気に詰められた。4連敗となった同26日にはゲーム差なし。27日に1ゲーム差に離してから平行線が続いたが、1週間かけて2ゲーム差とした。「最後まで分からない。最後までもつれると決めている。自分の中で」と、小久保監督に一喜一憂の様子はない。同学年の日本ハム・新庄監督とのデッドヒートを楽しみ、最高のエンディングを迎えるシナリオは完成している。(島尾 浩一郎)