◆JERA セ・リーグ 中日3―6巨人(7日・バンテリンドーム)

 大きく雄たけびを上げると、拳を握り締めて気持ちを爆発させた。4―2の5回無死満塁。

巨人・船迫は先発・横川に代わってマウンドへ。まずは4番・細川を迎えた。「気持ちしかないなと思いました」と闘争心をむき出しにシュートで空振り三振。続くボスラーは中飛。福永には粘られたが負けなかった。10球目のスライダーで空振り三振。15球で火消しし、2勝目を手にした。

 気持ちの強さは人一倍強い負けず嫌いだ。幼少期、母・淳子さんが買い物に行く間に1人でバッティングセンターに通うのがルーチン。母が買い物を終え、迎えに行くと「手持ちのお金がなくなってるんですけど、じっと他の打っている人を見て、勉強しているんです」。近くにはゲームセンターもあったが、大好きな野球がうまくなりたいと研究。幼少期は周りよりも体が小さかったが、気持ちと努力でカバーしてきた。

この日も大きなピンチにも屈せず「しびれました」と汗を拭った。

 窮地を救ったサイド右腕に阿部監督は「ヨコ(横川)が弱っていたところで何とか助けてくれましたね。ブルペンでは(肩)できるのが一番早いし、いろんなところで行ってくれるのでありがたい」と感謝した。これで昨季の51登板にあと2に迫る49登板。だが、まだ投げたりない。「勝ちパターンで投げたいという気持ちはある。ただうまくいかない時でもチームが勝つために、流れを持ってこれるような投球をしたい」。熱い思いを胸にシーズンを最後まで駆け抜ける。(水上 智恵)

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