◆女子プロゴルフツアー ゴルフ5レディス最終日(7日、千葉・ゴルフ5Cオークビレッヂ=6505ヤード、パー72)
首位タイから出た20歳のルーキー・荒木優奈(Sky)が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算12アンダーでツアー初優勝を飾った。宮崎・日章学園高の10学年先輩となる柏原明日架(29)=富士通=に競り勝ち、36ホールの短縮競技を制した。
18番で1・5メートルのウィニングパットを沈めると荒木は喜びをかみしめた。「わあっとなった。涙がちょちょぎれた」。冷静な試合運びとは対照的に、20歳の新人らしい初々しい言葉でツアー初制覇を振り返った。
日章学園高の10学年先輩・柏原との最終組。「緊張を隠すのに必死だった」と話すが、最後まで落ち着いていた。1打リードで迎えた最終18番パー4は2番目に難しいホール。強めに打った10メートルのバーディーパットは、カップをかすめて1・5メートルオーバー。返しのパーパットは、難しい下りのフックライン。並の新人なら手が震える場面でも「集中して思ったラインに打てた」と勝利をたぐり寄せた。
高校時代に日本ジュニアを制するなどアマとして確固たる実績を築いたが23年秋、最初のプロテストは不合格に。「初めての挫折。ゴルフをやる気がなくなった」とカラオケや自動車の免許取得など、ゴルフから逃避した時期もあった。しかし昨年3月、プロツアーに推薦出場すると「やっぱりプロの世界はいいな、と思った。もう一度、本気で頑張った」。昨年のプロテストは4位で合格した。
今季はデビュー戦で7位、先週までに6度のトップ10入りと頭角を現した。次週はメジャーのソニー日本女子プロ選手権。昨年のプロテスト会場だった茨城・大洗GCが舞台だ。今大会が台風の影響で2日間大会となり「まぐれ」と言われないよう2勝目を目指す。「今週の良い流れを来週まで持っていければ」。日本有数の名コースで行われる大一番。
◆荒木 優奈(あらき・ゆうな)2005年6月17日、熊本・玉名市生まれ。20歳。4歳からゴルフを始める。強豪の宮崎・日章学園高に入学。2年時の日本ジュニア選手権では高校の同級生の菅楓華(ニトリ)をプレーオフで下して優勝。3年時の23年に挑戦した1度目のプロテストは81位で不合格。24年、2度目のプロテストは4位で合格。今季、1年目から頭角を現し、現在メルセデス・ランキングは9位。156センチ、62キロ。