東京世界陸上(13~21日、東京・国立競技場)の男女混合1600メートルリレー代表に今大会の日本人最年少16歳で選出された清水空跳(そらと、石川・星陵高)が8日、母校で会見を行った。

 代表選出後初の肉声。

16歳での代表入りで、報道陣約20人が集まり熱気に包まれたが、本人は浮足立つところはない。清水は「昨日くらいから実感が沸いてきて、まずはメンバーに入りたいので全力で走ってアピールしていかないといけなんだなと熱い気持ちになってきました。まだメンバーに入れたわけではないので、自分の走りをアピールして当日、走れるように自分の持ち味である走りを見せつけたい。高校生だからこそできる進化のあり方を見せられれば」と意気込みを語った。

 「リレー侍」復活のカギを握る。マイルリレーでの選出だが、男子400メートルリレーメンバーの候補として名を連ねる。同種目は五輪では、08年北京大会、16年リオ大会でともに銀メダルを手にし、世界陸上でも17年ロンドン大会、19年ドーハ大会で銅メダルを獲得と日本が世界に誇る種目。ただ、その後はメダルには届いていない。

 リレー出走候補は11人いるが、16歳ながら10秒00を持つ清水の伸びしろも含め、起爆剤として大きな期待がかかる。清水は「予選から走ってメダルに貢献して、たくさんの感動とかを引き出したいなと思います」と力強い。

 7月の全国高校総体で10秒00で優勝し、U18(18歳未満)の世界最高(10秒06)を上回り、2013年に桐生祥秀がマークした10秒01の高校記録も更新。東京世界陸上の参加標準記録(10秒00)にも到達し、一気に世界の舞台にまでたどり着いた。

「これからの陸上人生の一歩となる大会になる。経験を積んでこれからの自分の陸上人生につなげたい」と気持ちを高めた。

 ◆清水 空跳(しみず・そらと)2009年2月8日、石川・金沢市生まれ。16歳。両親、姉が陸上をしていたことがきっかけで小学4年生から始める。石川長田中3年時に全日本中学校選手権200メートル優勝。24年に星稜高に進学し、同7月にサニブラウン・ハキームの100メートル高1歴代最高記録を更新する10秒26をマーク。今年7月の全国高校総体は100メートルと200メートルで2冠。100メートルはU18世界記録の10秒00を出し、桐生祥秀の高校記録を塗り替えた。164センチ、56キロ。

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