兵庫県の斎藤元彦知事(47)は8日、プロ野球・阪神タイガースが日本シリーズ終了後に行う優勝パレードを、兵庫県内で開催することに改めて慎重な姿勢を示した。

 この日、「警備費用、物価高騰の状況を踏まえ慎重に考えたい。

お祝いの仕方はそれぞれ、さまざまあると思う」と記者団に述べ、県スポーツ賞特別賞の授与を検討するとした。ホーム球場である甲子園があり、阪神にとってはお膝元。両リーグ史上最速優勝を決めた阪神だが、地元兵庫でのパレード実現は不透明な状況となった。

 2年前の2023年に阪神が日本一に輝いた際、日本シリーズで対戦したオリックスと同じ日に兵庫と大阪で優勝パレードを実施した。だが、この兵庫でのパレードで経費不正疑惑が浮上。背任容疑で告発された斎藤氏が今年6月に書類送検される事態になっている。また、当時パレードでの大阪と兵庫と合わせた警備費など開催費用は6億4072万円。費用はクラウドファンディングや協賛金などでまかなったが、クラファンは目標の5億円に届かず1億418万円にとどまった。

 一方、大阪府の吉村洋文知事(50)はこの日、11月以降に阪神の優勝パレードを実施する方向で検討すると明らかにした。府によると、現時点で場所は未定。前回優勝時の23年は大阪市のメインストリート「御堂筋」で開催した。

 阪神のセ・リーグ優勝について、吉村氏は府庁で記者団に「素晴らしい成績を収めてうれしい」と表明。

パレードに向けて実行委員会を設置する方針を示した上で「球団や経済界と協力してお祝いしたい」と述べた。

 ◆23年のパレード 日本一となった阪神、日本シリーズで敗れたオリックスと11月23日に同日開催。阪神が午前11時から兵庫・三宮の2キロ、午後2時から大阪・御堂筋の1・7キロを回った。オリックスは入れ替わりで、午前11時から御堂筋、午後2時から三宮でパレード。両球団ともに3台ずつのバスに監督、コーチ、選手が分乗。のべ100万人が訪れた。

 大阪のパレードでは大阪府・市の職員約2500人をボランティアとして警備や案内役として動員したことで批判も。特典としてもらえる職員専用の帽子とジャンパーが即日にメルカリで複数出品されるなどの騒動もあった。

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