プロレス界の“レジェンド藤波辰爾が主宰する「ドラディション」は11日までに11月14日東京・後楽園ホールで開催する「DRAGON EXPO 1995~無我~」で藤波が新日本プロレス「IWGP世界ヘビー級王者」ザック・セイバーJrと初シングルマッチで対決することを発表した。
両者は8日に東京・新宿の京王プラザホテルで記者会見。
さらにザックについて「時おり新日本での彼の試合を見ていて、彼の動きっていうのは自分たちが目指していたものであると同時に、我々が忘れかけていたものが動きの中から出てくる。一時期、イギリスの選手ともたくさんやってきましたけど、その中に彼もいてくれたらなって。カール・ゴッチさんから始まり、ビル・ロビンソン、ロイ・ウッドとか、そういう流れを汲んでいる、いわゆるキャッチ・アズ・キャッチ・キャンのイギリスの試合というか。自分も来年デビュー55周年というのが来るので、常日頃、ワクワクした試合がしたいというのがあるので、そういう部分では今回、ゾクゾクした試合ができればと思います」と明かした。
さらに「ただのお手合わせじゃなくて、どこまで動けるかわからないけど、いま自分自身が持っているものをとにかく彼にぶつけてみたいなと思います」と決意と覚悟を披露した。
対するザックは「いろいろな人間が夢の対決、夢のカードと口にするが、今回自分に巡ってきたチャンスはまさに夢の対決にふさわしいカード。藤波さんとは過去2度対戦したことがあるが、今回シングルマッチができるのは自分のゴールのようでもある。自分は子どものころからプロレス少年で、ビデオテープで藤波さんのジュニア時代からの闘いを見てきた。レスラーになり、日本に来ることになって、新日本を経由して藤波さんのリングでシングルができるのは夢にも思っていなかったし、プロレスファンとして、そしてレスラーとしての最終ステージに来たような気分です。
さらに藤波について「日本だけではなく、世界的に見てもプロレス史上もっとも重要なレスラーの一人だと思います。私の母国のイギリスから発祥した、カール・ゴッチ、ビル・ロビンソンらが実践していたキャッチレスリングの正統な後継者であり、それを引き継ぎ、50年以上現役を続けていることには敬意という言葉しかない。いまでもこれだけの肉体をキープしていることには驚きしかないし、尊敬しかありません」と敬意を表し「藤波さんがやっていたスタイルは、私たちが本来目指していたスタイル。自分がやりたかったスタイルであり、本当のストロングスタイルだと当時から思っていた」と明かした。
今回の対決が自らのキャリアで「その後に自分が持ちうる感情に興味がある。50年以上も現役を続けてきた選手の情熱を肌で感じることが今回の試合のモチベーションであり、試合後にどういう感情になるのか楽しみです」と思いをはせていた。