「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ」に出場中の高校日本代表は1次ラウンドA組を5戦全勝で1位通過し、11日にはスーパーラウンド初戦でB組1位・米国と激突する。

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 日本代表ナインは8月28日の初練習から2週間が経過し、急造チームが日に日に一体感を高めてきた。

主将の阿部葉太(横浜3年)、副将の中野大虎(大阪桐蔭3年)と岡部飛雄馬(敦賀気比3年)が中心となってチームビルディングに心血を注いでいるが、“いい味”を出しているのが名門・横浜のエースで4番を担った最速148キロ左腕・奥村頼人(3年)だ。

 自らの役割を「投手と野手と、ベンチワークの三刀流」と話していたとおり、ベンチでも積極的にナインを鼓舞する。沖縄尚学の比嘉公也監督(44)からは「末吉のことを頼むよ」と託された。唯一の2年生選出となった左腕・末吉良丞と笑顔で話すシーンが印象的だ。

 横浜では1学年下の織田翔希(2年)が実力を発揮できるよう、風通しの良い環境作りに努めた。“兄貴キャラ”は高校ジャパンでも存分に発揮されている。

 趣味は読書。言語学者・外山滋比古さんの著作がお気に入りだ。

 「『思考の整理学』が小5からずっと愛読書で、何回も読みました。めっちゃ面白いですよ」

 そこから得た学びは「ただ人のいいなりになるのではなく、自分の個性を伸ばしていくことの大切さ」だという。その個性は高校ジャパンでの切磋琢磨を経て、どのように進化していくのか。未来予想図には、楽しみしかない。

(編集委員・加藤弘士)

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