来春のセンバツ甲子園につながる第78回秋季全道高校野球大会空知地区予選の抽選会が11日行われ、3年ぶりの優勝を目指すクラークは、27日の初戦で深川東―栗山の勝者と対戦することが決まった。1年生の田中将大内野手が、公式戦で初のベンチ入り。

名前の由来でもある巨人・田中将大投手(36)に憧れる15歳が打線をけん引していく。

 クラークの「マー君」がベールを脱ぐ。今年4月に入学後、春、夏はスタンドから試合を見届けてきたが、新チームでは打線の軸としてベンチ入り。「緊張というよりも楽しみ。1勝でも多く、この仲間とプレーしたい」と初戦を心待ちにした。

 2010年3月生まれの15歳。駒大苫小牧で全国制覇を達成後、当時楽天で活躍していた田中投手のファンだった両親から「将大」と名付けられた。チームメートからのあだ名は「マー君」。実家に飾っている直筆サイン入りの写真が宝物だ。夏の大会が近づくと、早実と激闘を繰り広げた2006年夏の甲子園決勝の映像などを見返してモチベーションを高めるのがルーチンだという。

 札幌市出身。札幌新琴似シニア時代には日本選手権4強入りの実績がある。

兄の佑弥さん、佳太さんは強豪・札幌第一でプレーしたが、「1日でも1時間でも長く野球をしたかった」と親元を離れた。176センチ、79キロの体格で、左打席から逆方向にも長打を打てる打力が持ち味。佐々木啓司監督(69)は「本家の10分の1」と苦笑いを浮かべるが、今秋は練習試合同様にクリーンアップでの起用が見込まれる。

 全道大会は、札幌市の大和ハウスプレミストドーム開催。空知地区予選を勝ち抜けば、地元への凱旋(がいせん)となる。「田中選手の高校時代の映像を見ると、自分が抑えて優勝させるという気持ちが伝わってくる。気迫があって、強気な投球が好き。田中選手のように、自分は持ち味の打撃で勝利に貢献したい」。2022年以来の頂点に向け、野手の「マー君」が快音を響かせる。

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