◆世界陸上 第1日(13日、国立競技場)

 今大会オープニング種目の男子35キロ競歩は、勝木隼人(自衛隊体育学校)が自身初の表彰台となる銅メダルを獲得した。自国開催の世界陸上、最初の実施種目で日本勢メダル1号に輝いた。

レース後のインタビューでは「優勝したかったんですけど、強かったですね、世界のトップ選手。僕が想像していた以上に強かったので。最低限、メダルとれたっということで、ちょっとでも日本チームに追い風になればと思います」と喜んだ。日本の競歩勢6大会連続メダルを死守し“お家芸”の意地をみせた。

 10キロを42分25秒で、勝木と川野将虎(旭化成)が1、2位で通過。「やる気・元気・勝木」の愛称を持つ勝木はスタート直後、競技場内で飛び出し、積極的なレースを展開。優勝候補の川野も好調にレースを進めた。

 レースが動いたのは約27キロ。フルタド(エクアドル)が抜け出してトップへ。2位の川野はふらつく苦しい展開。しかし、その直後にフルタドに3回目の警告が出され、3分30秒の罰則を受けてペナルティーボックスへ。その間、川野が再び首位に立った。

ただ、後ろからダンフィー(カナダ)が猛追し首位に立った。

 勝木は一時、メダル圏外まで後退したが、約33キロで川野を抜いて3位浮上。そのまま順位を維持して初の表彰台を勝ち取った。

 福岡県出身で、東海大時代から競歩を始めた勝木。50キロ競歩で19年ドーハ大会は27位、21年東京五輪は鈴木雄介の辞退により繰り上がりで出場したが、序盤に靴ひもがほどけたことなどが影響し、30位に終わった。その後は世界大会から遠のいていたが、今年3月の日本選手権で優勝し、3大会ぶりに日本代表に返り咲いた。

 自身のキャッチフレーズは“やる気元気勝木”。前日の12日は自身のXで「いよいよ明日になりました!明日の35キロ競歩は男女ともに7時30分スタートです。優勝狙いでいきます。日本選手の応援をよろしくおねがいいたします」などと意気込みをつづっていた。

 同種目は午前8時スタート予定だったが、猛暑によるアスリートの健康と安全への影響を考慮して午前7時30分号砲となることが開幕2日前に発表された。

 ◆勝木 隼人(かつき・はやと)1990年11月28日、福岡県生まれ。

35歳。武蔵台高を経て東海大進学。17年全日本50キロ高畠大会で初優勝。18年5月の世界チーム選手権で個人2位に入り、団体金メダルに貢献し同年アジア大会50キロで金メダルを獲得。同種目で19年世界選手権27位、21東京五輪30位。35キロの自己記録は2時間24分38秒。168センチ。

編集部おすすめ