◆米大リーグ ジャイアンツ5x―1ドジャース=延長10回=(12日、米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク)
ドジャース・山本由伸投手(27)が球団100年ぶりの歴史的投球を披露したが、チームはサヨナラ負けを喫した。12日(日本時間13日)、同地区3位の敵地ジャイアンツ戦に先発し、9回2死までノーヒッターだった6日(同7日)の敵地オリオールズ戦に続き、7回1安打1失点10奪三振の好投。
残酷な現実を受け入れるしかなかった。敵地に響く大歓声を聞き、山本は「勝ち切れなかったのはすごく悔しい。とにかく前を向いていくしかない」と絞り出した。9回2死までノーヒッターの前回に続き、結末は悪夢のサヨナラ負け。7回1安打1失点、3試合連続10Kと圧巻の内容でも勝てなかった。
初回に二塁打に味方の失策が絡み先制を許したが、以降は20者連続アウト。10奪三振のうち6つを奪った直球は最速が97・8マイル(約157・4キロ)、平均96・2マイル(約154・8キロ)。カーブでも3Kと緩急をつけ「調子がすごく良かった」とうなずいた。先発で2試合続けて7回以上を投げ、1安打以下に抑えたのは1925年のD・バンス以来、球団100年ぶり。7回1失点以下かつ2ケタ奪三振を3試合連続でマークしたのは、95年の野茂英雄(ドジャース)以来、日本人投手では30年ぶりの快挙だったが、報われなかった。
通算265勝右腕バーランダーとの投手戦にも乗せられ、メジャー2年目で初の規定投球回到達。
頼みの大谷は今季2度目の1試合2敬遠を含む3四球。9月に入り、自身初のシーズン100四球に達した大谷が勝負を避けられ、打線の決定力を欠いた。延長10回2死二塁では大谷が歩かされ、続くベッツ、フリーマンが凡退で無得点。「相手は翔平と勝負するよりもムーキー(ベッツ)を選んだ。不運にも結果は出なかった」と指揮官。2位パドレスが敗れ、地区優勝マジックは「12」となったが、7ゲーム差の3位ジャイアンツ戦は6試合残っている。次こそは山本の好投に応えるしかない。(中村 晃大)