◆パ・リーグ 日本ハム5―4西武=延長11回=(13日・エスコン)

 日本ハムは13日、延長までもつれた西武戦(エスコン)をサヨナラで制し、昨季に並ぶ75勝に到達した。4番手で登板した斎藤友貴哉投手(30)は、自己最速を1キロ更新する161キロを連発。

150キロのスプリットで三振を奪うなど、1イニングを3者凡退に抑えた。守護神・柳川が腰を痛め離脱した中、ポジションにはこだわらず、優勝争いの中でチームのために無失点に抑えることを誓った。

 気合十分の斎藤が、力強く右腕を振った。「161」がスコアボードに表示されると、スタンドがざわめく。8回、先頭の滝沢への4球目に自己最速を更新する161キロをマーク。その滝沢を150キロのスプリットで三振に仕留めると、続く外崎には161キロを3連発。最後も161キロの真っすぐで二飛に打ち取った。1イニングを圧巻の3者凡退。「数字でしか伝わらないファンの方もいる。そこが自分の持ち味」と胸を張った。

 前回登板した7日のオリックス戦(京セラD)は、22試合ぶりに失点。負け投手になったが、この日は中5日とコンディションも万全。

自己最速が出た理由を聞かれ「前回やられてたんで、投げたくてうずうずしていた。試合間隔も空いてましたし、トレーニング含め…、正直分からないです(笑)。いいこと言おうとしたけど、無理でした」。負けられない一戦。気合で限界を突破した。

 伝えたいのは「夢」だ。自宅に帰ると、小学2年の息子とキャッチボールを楽しむ。「すごい刺激をもらってます」。だからこそ、スピードにこだわる。「残せるのは160キロだったり、スピードを上げていくこと。全国の子どもたちにも届くかなと思うので、夢を与えていきたいです」。161キロは「通過点」。

165キロを目指して、まだまだ限界を超えていく。

 待ったなしの優勝争い。柳川が腰を痛めて離脱し、守護神不在だがポジションにはこだわらない。「与えられた場所をしっかりゼロで抑えてくる。抑えることが大事なんで、場所はこだわらず行けと言われたところで行くしかない」と覚悟を示した斎藤。残り14試合、全身全霊で「0」を並べ、逆転Vへの道しるべとなる。(山口 泰史)

編集部おすすめ