◆世界陸上 第2日(14日、国立競技場)

 女子100メートル障害予選で、昨年のパリ五輪代表・田中佑美(富士通)が13秒05の2組6着で敗退した。レース後は「もうちょっと行けるかなって思ってたんですけど、厳しかったです」とコメント。

大歓声の前で走り終え「競技場に入る時も、スタート前も、なんならコールの中まですごい拍手喝采で、日本人だけじゃなくて、大会全体を盛り上げようっていう皆さんの気がすごい伝わって、いい大会に出られたなと思っています」と悔しさをこらえ、観客に感謝した。

 23年ブダペスト世界陸上で世界大会デビューし、昨年のパリ五輪は敗者復活戦の末に準決勝に進出するなど、年々成長を遂げてきた。今季は2月に60メートル障害で8秒00の日本新記録を樹立。100メートル障害でもコンスタントに12秒台をマークし、7月の日本選手権を初制覇した。

 今大会へ、開幕前までに自身のインスタグラムを更新。日本選手権の決勝朝に足に痛みが出ていたという。「せっかく自国開催の世界選手権。絶対出たいのは間違いないはずなのに、こんな状態で本当に出たいんだろうか」と複雑な気持ちで練習を重ねてきた。

 それでも「なんとかかんとか本当にたくさんのプロフェッショナルに支えられてスタート地点に立てそうです。立派な競技場で日の丸なんかつけてかっこいい風にしてもらってるけど、私のことは『すごい!』じゃなくて、『一緒に頑張ろう』と思ってもらえるのが一番嬉しいです」などと、心境や現在のコンディションを丁寧につづっていた。

 ◆田中 佑美(たなか・ゆみ)1998年12月15日、大阪市生まれ。26歳。

関大第一中で陸上を始め、関大第一高では2015、16年に全国高校総体2連覇。立命大に進み、19年日本インカレ優勝。21年富士通入社。23年4月の織田記念(広島)で12秒97マークし、同年夏のブダペスト世界陸上は予選敗退。同10月のアジア大会銅メダル。24年パリ五輪は準決勝進出。今年2月は室内の競技会で60メートル障害の日本記録(8秒00)樹立。7月の日本選手権は初優勝。昨年、男子110メートル障害で22年オレゴン世界陸上代表の石川周平(30)=富士通=と結婚した。172センチ。

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