大相撲秋場所初日(14日、両国国技館)

 8場所ぶりに幕内に戻ってきた東前頭16枚目・友風(中村)が西16枚目・錦木(伊勢ノ海)を押し出して白星発進を決めた。

 会心の一番だった。

頭で当たった左の押っつけから右は胸を押した。「すごく緊張しました。出ない汗がたくさん出ました。久しぶりの幕内でお客さんの声援もすごかったし、雰囲気も(十両とは)違いました。こみ上げるものもありました」と興奮気味に振り返った。

 2019念の九州場所で右膝を大けが。右膝下にはまだ麻痺(まひ)が残っている。バックにはいつも障害者手帳が入っている。大きなハンデを抱えながら幕内に復帰。NHKの放送席ではかっての師匠、先代の尾車親方(元大関・琴風)が熱戦を見守った。そして「7回も手術をしたんですよ。頭が下がります」と声を詰まらせていた。

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