◆プロボクシング ▽WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 高田勇仁―松本流星(9月14日、名古屋・IGアリーナ)
WBA世界ミニマム級王座決定戦は、負傷判定の結果、3―0で同級2位・松本流星(27)=帝拳=が新チャンピオンとなった。同級1位・高田勇仁(27)=ライオンズ=は、5回途中の偶然のバッティングにより、担架で運ばれた。
ジャブで攻撃のチャンスをうかがいながら、リングを大きく使う両者。2回には松本の左ボディーが高田を捉えた。サウスポーの松本に苦戦しながらも、4回には高田も手数を増やし、反撃。5回には互いに打ち合った瞬間、松本の頭が高田の顔面に直撃。高田はその場に倒れ込み、立ち上がれなくなった。レフェリーがストップをかけ、試合は中断。高田は担架で運ばれ、松本が負傷判定で3―0で勝利した。
プロ7戦目で世界戦の舞台に立った松本はガウンとトランクスに、8月2日の試合で急性硬膜下血腫となり死去した日大時代の先輩・神足茂利さんのロゴを付けてリングに立った。名古屋出身の神足さんは、王座決定戦の応援に来る予定だった。試合後には食事の約束をしていた松本は「力を貸してほしというか、一緒に戦おうという意味」と亡くなった先輩の思いを胸に王座決定戦に挑み、ベルトをつかんだ。
フィリピン生まれの高田は、9歳の時に日本に移住。中学卒業後は高校には行かず、プロボクサーを目指した苦労人だ。
プロ通算戦績は松本が7戦7勝(4KO)、高田が28戦16勝(6KO)9敗3分け。