◆プロボクシング▼WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 〇松本流星(負傷判定5回1分26秒)高田勇仁●(9月14日、名古屋・IGアリーナ)
WBA世界ミニマム級2位・松井流星(27)=帝拳=が初の王座獲得に成功した。WBA世界同級1位・高田勇仁(27)=ライオンズ=とWBA世界同級王座決定戦を行い、初回から的確にパンチをヒットする上々の立ち上がり。
新チャンピオンとなった松本だが、すっきりしない幕切れに笑顔はなかった。「高田選手、ライオンズジム関係者に申し訳ない気持ちです。(チャンピオンになった)実感もあまりないです」と声に力は無い。だが、試合では確実にポイントを重ねていった。ゴング直後に左ストレートをヒットするなど、高田を終始圧倒しただけに、偶然のバッティングでの幕切れが残念でならなかった。
父・広さんが通っていたボクシングジムに遊びがてら一緒に行き、4歳からグローブを握った。テレビで流れるボクシング中継にのめり込み、西岡利晃(元WBC世界スーパーバンタム級王者)、三浦隆司(元WBC世界スーパーフェザー級王者)、五十嵐俊幸(元WBC世界フライ級王者)といった帝拳ジムの世界王者に憧れた。その思いは「帝拳ジムに入って世界王者になる」という決意に変わる。中学2年になると広さんにその夢を打ち明けた。
夢を実現した松本だが、やはりはっきりと決着をつけたかった。「高田選手も納得していないでしょうし、もう一度できるならという気持ちです」と新チャンピオンは再戦を希望した。
◆松本 流星(まつもと・りゅうせい) 1998年5月14日、兵庫県高砂市出身。4歳からボクシングを始め、日出高(現・目黒日大高)から日大に進学。卒業後の22年に全日本選手権優勝。アマ戦績は77勝(6KO・RSC)15敗。23年2月にプロデビューし、24年9月に日本ミニマム級王座獲得。プロ戦績は7戦全勝(4KO)。身長160センチの左ボクサーファイター。