男子400メートルに3大会連続出場中の中島佑気ジョセフ(富士通)が予選2組に登場。これまでの日本記録44秒77を0秒33秒塗り替える44秒44の日本記録を樹立し、2着で準決勝進出を決めた。
中島は2023年、2024年の日本選手権を連覇した実力者。世界陸上では1991年東京大会の高野進以来34年ぶりの日本選手決勝進出への期待もかかる。
◆中島佑気ジョセフに聞く
―レースを終え、今の気持ちは
「非常に自信を持って挑めましたし、会場の雰囲気もすごくていろんな方々のエールを背中に、大きな歓声とか大会の雰囲気とかも働いていいペースで進められたので、本当に楽しかったし、ここでしっかりいいレースができて良かったと思います」
―レースを振り返って
「レース前までは1500や女子ハードルの選手から「会場の雰囲気すごいよ」と聞いていたし、今回特にこの後100メートルの決勝があるし、日曜日なので、いろんな方が来ていたので、そういったところに上がりすぎずに。盛り上がりをへんにプレッシャーに感じてしまうよりかは、地の利をいかしてというか、会場の雰囲気を自分に有利に働かせられるかに集中して、会場の熱気は生かしつつ、頭は冷静に自分のレースに集中することを目標としてやって。実際に予定通りにできたと思います」
―プランは
「前半はあまりいきすぎずに前の選手のペースメイク。結構5、6、7(レーン)に強い選手が固まっていたので、その選手に離されすぎずに、しっかりついていきつつ、焦らずに自分のリズムで彼らのスリップスリングをつかうというか、それでレースを進めていって、後半は強みを生かして150から勝負して、マハラ選手を捕まえてという感じで、まあ予定通りに」
―後半まで4番目
「大丈夫だというところもありましたし、歓声もすごかったし。それも力に働いたのもありましたし。ただ思っていた以上にマハラ選手もたれなかった。たれてくるかなと思ったら、思っていた以上にたれてこなかったので、今回は例年の大会より速いレース展開でしたし、焦らずに最後400M地点で着順を取れば良かったので、そういったところを意識しました」
―44秒44の記録は
「今大会4戦目ですし、走って行くごとに良くなっていたので、しっかり自分のやるべきことをやれば中盤は出るかなと思っていたし。今まで発揮できなかった力がやっとこう…今までのパリでの失敗、ブタペストでの失敗を生かして、ようやく自分にやりたいことを100%発揮できるようになってきたので、そういった経験を生かしてやっと自分の本来の力が発揮できたという感じですね」
―無理して出した感じはない?
「全くないですね。やっぱり無理していくとその分自分の強みを殺してしまうので、そこは避けたいですし。パリは結構うちから来て焦ってしまってラストも全然上がらずという感じだったので、それだけは避けたいと思っていたので」
―コンディションで気をつけていること
「特に。
―パリの悔しさを晴らせた
「まずはやるべきことをしっかりやれたかなという風に。そこは1つ合格点ですけど、あくまで決勝に進むことが目標ですし、ここまできたら決勝で勝負するところまでいきたいと思いますし、自分にはそのポテンシャルがあると分かっていますし、今回東京世界陸上というところも自分にとってプラスになったかなと思います。もう1皮2皮向けて自分のいけるところまで出し切っていきたいと思います」
―力の使い方がうまくなった
「そうですね、やっと。他も経験して本当に苦しい時期がありましたし。今年はけがしたときは本当にやばいなと思いましたけど、なんとか標準を切ってここまで来られたというのは。(車いすはなかった)そうですね。(あさって)はい、あさって」