◆米大リーグ ジャイアンツ7―13ドジャース(13日、米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が13日(日本時間14日)、敵地・ジャイアンツ戦に「1番・DH」で先発出場。3点を追う3回に反撃ののろしとなる49号ソロを放った。

5試合ぶりの一発は自身でもド軍でも今季最長となる454フィート(約138・4メートル)の特大弾。史上6人目となる2年連続50本塁打の偉業に王手をかけた。3安打3得点でチームの逆転勝ちに大きく貢献。14試合を残して自己最多タイの134得点となり、135年ぶりの球団記録更新も見えてきた。

 バックスクリーンへ伸びる弾道が逆転ムードをつくり出した。1―4と3点を追う3回先頭。大谷は相手のエース右腕ウェブの失投を見逃さなかった。真ん中付近のシンカーを完璧に振り抜くと、一塁ベンチの方にバットを放り投げた。5試合ぶりの49号ソロが中堅の防球ネットに着弾。飛距離454フィート(約138・4メートル)は今季球団最長の特大弾だ。オラクルパークで生まれた今季の全アーチの中で最長、打球速度114・8マイル(約184・8キロ)も同じく最速だった。

 大谷は地元ラジオ局の取材に「もっともっと」と貪欲な姿勢を示し「ホームランの数がまずは大事ですけど、飛距離も一つの持ち味だと思うので、(今後も記録を)塗り替えられるように頑張りたい」。

史上6人目の2年連続50本塁打にも王手をかけた。

 前夜はサヨナラ負け。この日も初回に1点を先制しながら直後に4失点で逆転された。2回は無死満塁のチャンスを逸していたが、「まだまだこれからいけるよと。みんなそう思っていました」と大谷。ロバーツ監督は「(2回は)翔平が次の打者に控えているのに回せなかったが、彼が再びいい流れにしてくれた」と感謝した。

 1番打者として最高の働きが続いている。初回は18試合連続出塁となる遊撃内野安打から先制のホームを踏むと、9回1死では右前打で今季11度目の3安打猛打賞。フリーマンの適時二塁打でダメ押しの生還を果たした。前人未到の「50―50」(50本塁打、50盗塁)を成し遂げた昨季打ち立てた自己最多の134得点に早くも並び「1番を打っている以上、打点以上に大事だと思っている」。シーズン146得点ペース。残り14試合で1890年にH・コリンズがマークした148得点の球団記録にも迫りそうな勢いだ。

40号から10本連続ソロ本塁打という“怪奇現象”もあるが、打線をけん引している。

 チームは同地区2位パドレスとの2・5ゲーム差を維持し、地区優勝マジック「11」とした。「ムーキー(ベッツ)の調子も素晴らしいですし、少しでもつなげば得点の確率も上がってくる。出塁を第一に考えていきたい」と大谷。その先に、歴史的な瞬間が待っている。(中村 晃大)

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