◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇井上尚弥(判定)ムロジョン・アフマダリエフ●(14日、名古屋・IGアリーナ)
世界4団体スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が、WBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=を3―0の大差判定で下し、史上最多の4団体統一王座5度目の防衛に成功した。世界戦26連勝は史上最多記録に並んだ。
リングサイドで見つめた“次期・次期挑戦者”のWBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人(27)=M・T=は、井上尚弥の強さを改めて知らされるとともに、さらに闘志に火をともした。「(井上の)幅の広さはすごく見えた。そこにのまれるんじゃなくて自分自身のボクシングしないといけないなと思いました。より強くならないとと刺激をもらった。もっと強くなります」
実は、20年1月、米国マイアミでアフマダリエフがダニエル・ローマン(米国)からWBA&IBF統一王座を判定で奪取した試合を生観戦したことがあった。中谷は「アフマダリエフ選手にはポイントを持っていく力がある」と感じたという。尚弥のKO勝ちを予想していたが、試合が長引くことも視野に入れていたのはそのため。だが、それは杞憂(きゆう)だった。中谷はこの日、配信された番組で、井上がパンチをもらわない点を指摘したうえで「タイミングがすごくよかった。出すパンチが鋭かった。前に踏みこまなくてもダメージ与えられるパンチだなと思った」と分析した。
来年5月、東京ドーム決戦へまた一歩、近づいた。