◆世界陸上 第4日(16日、国立競技場)

 男子走り高跳び決勝で、昨夏のパリ五輪5位の赤松諒一(30)=西武プリンス=は、2メートル24で8位に入った。2大会連続、パリ五輪に続く入賞。

2メートル24を2回目に成功したが、続く2メートル28を失敗した。初出場の瀬古優斗(27)=FAAS=は、2メートル20で10位だった。

 メダルには届かなかったが、赤松は世界に肉薄した。2メートル24までは順調にクリアし、上位を狙い挑んだ2メートル28。2回失敗して後がなくなった3回目は、左足小指の疲労骨折が完治せず痛みが残る左足で力強く踏み切ったが、無情にもバーが落ちて順位が確定。五輪も含めた世界大会3年連続入賞の快挙を成し遂げた。「悔しい気持ちが大きいかな。今年一番の目標にしていた大会。痛みが出ても全力疾走で駆け抜けようと思った」と振り返った。

 初挑戦だった22年オレゴン大会で予選落ち。そこから、パリ五輪を目標に練習から全て見直し、進化してきた。アスリート、医学部研究生、ホテルマンとの“三刀流”で心技体を鍛えた。

競技とは関係ないようだが、そこに向かうプロセスをいくつも経験することで自分の糧にしてきた。23年1月にがんで母・智恵美さんが他界。昨年のパリに続き、自国開催でも背中を押してもらった。国立競技場で見せた、天国に届ける飛躍だった。(松末 守司)

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