◆世界陸上 第4日(16日、国立競技場)

 男子走り高跳び決勝で「メガネ王子」瀬古優斗(FAAS)は、2メートル20で、10位だった。

 高校まで無名だった苦労人だが、8月15日のナイトゲームズ・イン福井で世界選手権参加標準記録の2メートル33をクリア。

コンタクトレンズを入れるのが怖いと話す27歳はアスリートでは珍しいメガネ姿もあって一躍、注目を浴びた。

 14日の予選中にスパイクが壊れるアクシデントに見舞われ、別のシューズで跳ばなければいけなくなったが、2回失敗した2メートル21を崖っぷちでクリアして見せると2メートル25は1発で成功させ、赤松諒一(西武プリンス)とともに決勝に進出。初の大舞台で勝負強さを発揮した。

 「2メートル34とか36をバンバン飛ぶ姿を近くで見られて良かったです。すごいですよね。また、このような大会に出たいです」と初の世界大会をさわやかな笑顔で振り返った。

 自身が2メートル10で競技を終えた後は、競技が残っていた赤松のサポートに徹した。

 瀬古「僕に何かできることないですか?」

 赤松「ありがとう。それじゃあ、踏切位置を見ておいて」

 そのようなやりとりがあったという。瀬古は「メガネ王子」の愛称にふさわしく、上品なナイスガイだった。

 ◆瀬古 優斗(せこ・ゆうと)1998年3月16日、滋賀・大津市生まれ。27歳。

瀬田北小時代はバレーボールをプレーし、瀬田北中から陸上部所属。草津東高から中京大に進んだ。現在は滋賀県スポーツ協会の職員をしながら、「FAAS」所属で競技に取り組んでいる。24年アジア室内選手権は銀メダル。180センチ、66キロ。

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