◆米大リーグ ドジャース―フィリーズ(16日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が16日(日本時間17日)、本拠地・フィリーズ戦に「1番・投手兼DH」で先発出場。投手としてはロートベットと初めてバッテリーを組み、5回無安打無失点5奪三振、1四球だけでヒットを打たれることなく降板すると、打者としては8回に史上6人目の2年連続50本塁打を達成した。

 試合後、囲み取材に応じた大谷は、注目されているプレーオフでのリリーフ起用プランなどにも言及。22年から導入された現行の「大谷ルール」では、降板後もDHで出場できるのは先発投手のみ。「いろんな人といろんな話をして、もちろん当然その話も出ましたし。プレーヤーとしてどこでも、行けと言われた時に、その対応ができる準備っていうのをまずしたいなとは思ってる。それがマウンドでもそうですし、もしかしたら外野もね。リリーフでいくということは、その後のことも考えると、外野の守備にもつかないといけないっていう状況があったりすると思うので、どんな状況にもなったとしても、しっかりと対応できる準備っていうのをしたいなと思ってます」と意欲を示した。

 試合では2点を追う8回先頭。右腕ロバートソンの2球目、90・2マイル(約145・2キロ)カットボールを捉えた。打球速度113・4マイル(約182・5キロ)、打球角度37度。高々と舞い上がった白球は飛距離430フィート(約131・1メートル)で右翼の敵軍ブルペンに飛び込んだ。リアル二刀流では今季4本目のアーチ。同じ二刀流で“野球の神様”と言われたB・ルース(ヤンキース)らに肩を並べた。

 投げても圧巻だった。初回。本塁打王を争う2番シュワバーとの注目の初対決は1死走者なしで迎えた。初球。メジャー公式戦では自己最速タイの101・7マイル(約163・7キロ)直球でファウル。最後は5球目のスライダーで見逃し三振に斬った。3番ハーパーには四球を与えたが、4番マーシュを投ゴロに打ち取ると、打席の準備のため急いでベンチの方に向かった。

 初回の第1打席では内野安打で今季最長の連続試合出塁を「21」に伸ばした大谷。走塁でユニホームの左のお尻部分が破れたが、そのまま2回のマウンドに上がり、以降はパーフェクト投球を続けた。4回先頭で迎えたシュワバーの第2打席はカットボールで左飛に仕留めた。5回。1死からケプラーの打球を左翼コールが好捕。

大谷は両手を上げて喜びを表した。その裏の打席に入る前には、ロバーツ監督と談笑する場面もあり、まだ余力を残していた。中10日の登板で、球数68球。100マイル(約160・9キロ)超えを7球計測し、防御率は3・29に良化した。

 4点リードの6回。2番手左腕ロブレスキが1死から初安打を含む3連打で満塁のピンチを背負うと、3番ハーパーに2点二塁打を浴び、4番マーシュには逆転3ランを被弾。大谷の2勝目の権利は降板から約11分で消えた。球場はブーイングに包まれたが、大谷のすごさが際立つ試合にもなった。

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