◆米大リーグ ドジャース6―9フィリーズ(16日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ナ・リーグ西地区首位のドジャースが同東地区2連覇を決めているフィリーズに逆転負け。「1番・投手兼DH」で先発出場した大谷翔平投手(31)が投手としては5回無安打無失点5奪三振、1四球だけで安打を打たれることなく降板すると、打者としては8回に史上6人目の2年連続50本塁打を達成したが、勝利にはつながらなかった。
6―6の9回に右腕トライネンが9番マルシャンに決勝3ランを被弾。苦しいブルペン陣に、ロバーツ監督は「明らかに彼らは自信を失っている。全員が良い投球をしたい、チャンスを得たいと思っているが、必要な場面で良い球を投げられていないし、時には慎重になりすぎている。地区優勝を果たしたような強力なチームを相手にする時には、粘り強く打席に立ってくるので、良い投球を続けなければならない。そうでなければ必ず相手に付け込まれる」と首をひねった。
大谷は2点を追う8回先頭。右腕ロバートソンの2球目、90・2マイル(約145・2キロ)カットボールを捉えた。打球速度113・4マイル(約182・5キロ)、打球角度37度。高々と舞い上がった白球は飛距離430フィート(約131・1メートル)で右翼の敵軍ブルペンに飛び込んだ。リアル二刀流では今季4本目のアーチ。同じ二刀流で“野球の神様”と言われたB・ルース(ヤンキース)らに肩を並べた。ド軍はこの回さらにコールの左犠飛で一時は同点とした。
投げても圧巻だった。中10日の登板で、球数68球。100マイル(約160・9キロ)超えを7球計測し、防御率は3・29に良化した。初回には、本塁打王を争う2番シュワバーとの注目の初対決は、メジャー公式戦では自己最速タイの101・7マイル(約163・7キロ)直球でファウル。最後は5球目のスライダーで見逃し三振に斬った。5回を投げ終えた後の裏の打席に入る前には、ロバーツ監督と談笑する場面もあり、まだ余力を残していた。指揮官は「彼はマウンドには戻ろうしていなかった。我々はシーズンを通して登板イニングの扱いについては一貫してやってきた。私はただ彼の状態を確認し、6回にも行けるか探っていただけ。彼は『大丈夫』と言ったが、だからといって予定を変えるつもりはなかった」とし、予定通りに5回降板となった。
ナ・リーグ西地区首位のド軍はこの日敗れた同地区2位のパドレスにお付き合い。地区優勝マジックは「9」となった。