大相撲秋場所4日目(17日、両国国技館)

 東前頭2枚目・伯桜鵬が先場所で初金星を挙げた横綱・大の里を突き落とし、2場所連続の金星を獲得した。横綱・大関戦を終えて2勝2敗。

目標に掲げる年内の新三役へ、真っ向勝負で突き進む。横綱・豊昇龍は西前頭筆頭・阿炎を押し出し、関脇・霧島とともに無傷の4連勝。宇良、竜電が初黒星を喫し、平幕勢の全勝はいなくなった。

 大の里は土俵際の詰めをほんの少し誤った。胸が合った瞬間、左を差して前に出たが、右が浮いてしまった。一呼吸置いて右からおっつけていれば違う景色が見えていたはず。右脇も空いて伯桜鵬の突き落としの餌食となった。大の里も前に出るしかない状況だったから責めることはできないだろう。

 大横綱の北の湖さんも勢い余って足が出たり、突き落としで土俵に倒れたことが何度もあった。当時は「強すぎて負けた」と大騒ぎになった。大の里も「強すぎて負けた」と言っていいかもしれない。引きずる負けではないことは確かだ。

 伯桜鵬には思い入れがある。私の師匠でもある先代の佐渡ケ嶽親方(元横綱・琴桜)と同じ鳥取・倉吉市出身。師匠をたたえた大会「桜ずもう」が力士の足がかりになった。一門も部屋も違うが、倉吉市が生んだ伯桜鵬の活躍を先代も天国で喜んでいるはずだ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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