◆世界陸上 第6日(18日、国立競技場)
女子800メートル予選で日本記録保持者の久保凛(東大阪大敬愛高3年)は2分2秒84の3組7着、で日本勢初の準決勝進出とはならなかった。レース後のテレビインタビューでは「最初から想定していたレースプランで行かなくて、前半から何もできなく終わってしまったレースですごく悔しい。
昨年7月に日本人初の2分切りで日本記録を樹立し、今年は7月の日本選手権でさらに縮める1分59秒52をマークして2連覇。同月の全国高校総体(広島)では3連覇を達成した。
連戦の影響で、その後は左足が軽度の肉離れを起こして走れない時期もあった。ただ休養やリハビリを経て状態は着実に上がっている。標高約1300メートルの長野・菅平高原で今大会前に行われた合宿ではメイン練習もこなし、「自分の予想以上にうまく調子も戻せてこれていて、今ちょっとホッとしています」などと話していた。
高校3年生の注目株は今大会、日本選手団の女子最年少。世界陸上の同種目では05年ヘルシンキ大会の杉森美保、07年大阪大会の陣内綾子、22年オレゴン大会の田中希実以来4人目の代表だ。「初めてシニアの舞台で日の丸を背負って世界で戦うことができる。まずは試合を全力で楽しむというところ。あとは初めてだからこそ挑戦して走ることができると思う。
◆久保 凛(くぼ・りん)2008年1月20日、和歌山・串本町生まれ。17歳。小学1年から6年間はサッカー選手。潮岬中入学から本格的に陸上を始めた。東大阪大敬愛高に進み、高1にして全国高校総体800メートル優勝。初の国際舞台となった同月の日・韓・中ジュニア交流競技会でも優勝。24年6月の日本選手権で初優勝し、同年7月は奈良の競技会で日本勢初の2分切りとなる1分59秒93の日本新記録をマーク。全国高校総体も制覇。今年は5月のアジア選手権で銀メダルを獲得し、7月の日本選手権は1分59秒52の日本新記録で2連覇、全国高校総体でも3連覇を達成した。サッカーで国体出場経験のある父・建二郎さんは、サッカー日本代表MF久保建英(Rソシエダード)の叔父。