◆世界陸上 第6日(18日、国立競技場)

 女子5000メートル予選が行われ、1組に出場した日本記録(14分29秒18)保持者の田中希実(ニューバランス)は14分47秒14の5着で決勝進出を決めた。各組上位8人、計16人が20日の決勝に進出する。

 世界のトップランナーに比べると、スピードが劣る田中は中盤からレースを引っ張り、徐々に先頭集団の人数を減らした。積極策が成功し、予選を突破した。

 13日の女子1500メートル予選では1組10位。準決勝進出ラインの各組上位6着に入ることができず、3大会連続の予選突破を逃した。21年に東京・国立競技場で行われた東京五輪では1500メートルで8位入賞。世界レベルに足を踏み入れたきっかけの種目だったが、まさかの予選敗退。「この経験は悔しいという言葉でしか表せないけど、この気持ちがあることを大事に5000メートルに臨みたい」とリベンジを誓っていた。

 日本女子中距離界のエースが自国開催のビッグイベントで意地を見せた。決勝でも果敢に走る。

 ◆田中 希実(たなか・のぞみ)1999年9月4日、兵庫・小野市生まれ。26歳。小野南中3年で全中1500メートル優勝。

西脇工で全国高校総体3年連続入賞。18年U20世界陸上3000メートルで日本人初優勝。同大に進学。19年ドーハ世界陸上で5000メートルに出場し、21年東京五輪1500メートルは8位入賞。22年オレゴン世界陸上は800メートル、1500メートル、5000メートルの3種目で出場。23年ブダペスト世界陸上は5000メートル8位入賞。家族は両親と妹。153センチ。

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