大相撲秋場所5日目(18日、東京・両国国技館)

 新入幕の日翔志(追手風)が初勝利を挙げた。幕内・錦木(伊勢ノ海)を体当たりし、押して最後は押し出した。

「前に出られて良かった」とうなずいた。初日から4連敗し「15敗したらどうしようと思った。1勝できて良かった。心は折れてなかった」と振り返った。22年に父・文男さんが亡くなった。初めて手にした「懸賞の中身を抜いて、親父のお墓に入れましょうか」と感謝した。

 21年に父の反対を押し切り、大学職員から角界入り。だが同年に首の大けがで2か月の寝たきり生活。休場しリハビリしている中、父が亡くなり「父に背いてプロ入りし、ケガをした。母のために(引退して)働かないといけないのかな」と思うこともあった。

 ケガを乗り越え、新十両だった23年九州場所2日目に右足首を痛めて2勝13敗。すぐに幕下へ転落し「1年で十両に戻れなかったら潔く辞めようと少し考えた」。

そんな中、埼玉栄高の先輩である湊川親方(元大関・貴景勝)や兄弟子の大栄翔らに励まされて復活した。

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