◆大相撲秋場所5日目(18日、両国国技館)
横綱・豊昇龍は東前頭3枚目・熱海富士を寄り切り、5連勝で単独トップに立った。横綱審議委員会(横審)の本場所総見が行われた中、先場所途中休場から復調した姿を見せた。
強い豊昇龍が戻って来たことを印象付ける圧勝だった。鋭い出足からのもろ手で突き放し、右四つ、左の上手を取ると、止まらず前に出て寄り切った。過去3勝5敗の難敵・熱海富士に何もさせず、4秒1で圧倒。「苦手だと思ったことはない。やるのは当然。しっかり集中してできた。良かったと思う」とうなずいた。
この日は横審による本場所総見が行われた。左足親指負傷で途中休場した先場所後に開かれた横審では、大島理森(ただもり)委員長(79)から「期待に応えられなかった結果を生んだことは横審そろって残念至極。
初日から5連勝は昨年11月の九州場所以来だ。初日は辛勝だったが、課題とされた序盤戦で尻上がりに安定感を増している。4日目に5連敗中だった阿炎、5日目は熱海富士と、苦手を内容良く退けていることも好材料だ。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)も「立ち合いで踏み込めている。いい相撲を取っていれば、また調子も上がってくると思う」と期待した。
霧島に土がつき、唯一の勝ちっ放し。「気にしてないので。その話はしないで」と報道陣を制したが、横綱の役割は理解している。八角理事長(元横綱・北勝海)も気迫を評価した上で、「優勝争いをしながら最後まで出ることが大事だ」と求めた。