◆世界陸上 第6日(18日、国立競技場)

 女子800メートル予選で、世界大会デビューとなった日本記録保持者の久保凛(17)=東大阪大敬愛高=は2分2秒84の3組7着で敗退し、日本勢初の準決勝進出は逃した。

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 久保の走りの原点はサッカーにある。

中学で本格的に陸上を始めるまで、小学校での6年間はボールを蹴っていた。現在、指導する野口雅嗣監督(57)は、その経験が800メートルに生きているという。

 サッカーは360度の視野が必要。相手を見ながらパスコースを見極めるなど、常に感覚を研ぎ澄ませる。「サッカーをしていたことで動的視野が広い」と野口氏。800メートルは、100メートルからレーンが同じになるため、激しい位置取り争いが繰り広げられる。「サッカーはボールを取るときに選手の間に入る。また、ボールを取られそうになり、転倒しそうになってもドリブルするのと一緒で、彼女はこけない」。集団の中での動き方が抜群だという。

 自身も「相手が来たときに瞬時に対応できる力は、サッカーでついた視野の広さが生きているのかな」と笑顔。東京世陸では悔しさを味わったが、17歳ながら第一人者として日本の女子800メートルを引っ張っていく。(手島 莉子)

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