◆世界陸上 第6日(18日、国立競技場)

 男子400メートルで日本勢34年ぶりに決勝を走った中島佑気ジョセフ(富士通)は、44秒62で同種目日本勢史上最高の6位に入った。レース後のインタビューには悔しさをにじませつつ、前向きな表情で答えた。

 ―振り返ってみて。

 「結構自分でも驚いているんですけど、決勝進出っていうところを目標にしてきて、ようやく夢に見てきた決勝っていう舞台を、しかもこの国立で、地元東京で走ることができて、本当幸せだった。ただ、それよりも先に悔しいていう感情がレース終わった後に出てきて、メダル取りたかったっていう。せっかくつかんだチャンスですし、この世界のいただきを目指す最高の戦いの中で自分で持ってる最高のパフォーマンスを、1皮剥けたパフォーマンスを発揮しようと思ったんですけど、力足らずで、最後なんとか追いついて6番でしたけど、前半かなり行かれてしまって、リチャード選手とか優勝した選手はさらに後半でも自分より速いスプリットで帰ってきてっていうので、やっぱ悔しいですね」

 ―悔しさっていうのは初めてこの決勝の舞台に立ったから見えた。

 「はい、間違いないですね。ここで決勝の舞台を経験できた、で世界のメダルを取ってくる選手との差っていうのも明確になりました。じゃあどこが足りてないのかっていうのも、自分の中で他の選手のデータと比べて分析できますし、何よりこの雰囲気ですよね。400メートル本当にきついので、準決勝走った段階でほとんどの選手がかなり体を消耗してる中で、どれだけもう1段階上げるか、本当究極の精神力の勝負といいますか。そういったところを経験できたのは本当に良かったなと思いますし、まだまだ先は長いので、メダルから、それから金メダルを来年、再来年目指していきたいと思います」

 ―34年ぶりに立ったこの決勝の舞台。本当にたくさんの人が感動し、力をもらった。

 「ありがとうございました。本当にここを来るまでいっぱい失敗してきて、試合前も自信を持ってやってきたんですけど、どこかで自分は本当決勝行ける存在なのか、本当に決勝ファイナリストに、取るに足る存在なのかは不安もあったんですけど、会場の皆さんの後押しがあったからこそ自分の殻を破れたので、ここからこの勢いをさらに1段階上げて上を目指していきたいと思います」

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