バレーボール男子日本代表が18日、1次リーグ敗退した世界選手権(フィリピン)から羽田空港着の航空機で帰国した。取材に応じた主軸の高橋藍(サントリー)は「めちゃくちゃ悔しい。

でもこの現状を認めることが、次につなていくためにも大事。自分たちの力がなかったということなので。この結果をしっかり受け止めて強くなっていくしかない」と胸中を語った。

 悪夢の予兆はあった。トルコとカナダから1セットも取れず、初の初戦から2戦連続ストレート負け。51年ぶりのメダルの夢は早々と破れた。藍は「正直に言うと、世界選手権前から少し不安はあった」と打ち明けた。「チームが仕上がっているのかなという不安と、去年までは試合になれば、チームが締まったり、一点を逃さない自信がすごいあった。今回はそこの自信が正直なかった」と明かす。

 藍は試合後、ともにチームを引っ張る石川祐希主将に駆け寄り、完敗で明らかになった気づきをぶつ合った。「今の日本はすごく仲がいいけど去年のチームと比べて練習でも締まる感覚がない。ここの1点で上げられていない。

締まるところが締められていない。ぬるっとした雰囲気で試合もやってしまっているのが、少し原因としてはあるのか」。石川もその課題に気づいており、主将として責任を感じていたという。昨季までとは違い、意識の高さが統一されておらず、同じ絵を見られていなかったのだ。

 藍自身のスタイルにも初戦の完敗で気づきがあった。今季は石川や宮浦健人ら攻撃力の高い選手がいるチーム内のバランスを考慮したプレーを心がけていた。しかし「考えすぎていた。自分は本能的にプレーをして、そこから上手さを出せるのかなと。自分もまだ若いし、勢いとか、エネルギッシュな部分を出していかないと」。マインドチェンジし、第2戦以降のパフォーマンス向上につなげたという。

 28年ロサンゼルス五輪に向けた新体制1季目は終了。来年には、ロス五輪の出場権を懸けたアジア選手権も予定される。

「強くなるしかない」と何度も繰り返した藍。若きエースは“マニラの2連敗”からはい上がる。

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