プロボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅ファウンダー率いる興行「SAIKOU×LUSHvol.2・vol.3」の開催要項が19日、都内で発表された。10月25、26の両日、キルギスのビシュケク・アリーナで行われる。

 25日のvol.2のメインイベントでは、元世界3階級制覇王者ジョンリール・カシメロ(36)=フィリピンが亀田3兄弟のいとこ、日本フェザー級(57・1キロ以下)7位・亀田京之介(26)=MR=と契約体重58キロ以下(スーパーフェザー級相当)10回戦で対戦する。19日には都内の記者会見場に両選手が亀田ファウンダーとともに登場。意地のぶつけ合いで、いきなり“一触即発”のムードとなった。

 「SAIKOU×LUSH」と契約しての初戦。「亀田ファウンダーに新たな機会をもらって感謝している。世界4階級制覇王者になる」と最初にあいさつしたカシメロ。「京之介とはいい試合になりそう。お互い頑張ろう」と“殊勝”な言葉を掛けた。京之介は「カシメロはいい選手や思うけど、ブランクあるし、年齢も年齢。名前があるので、一発かましたろうと思う」と“ジャブ”で先制した。これにかちんときたカシメロは「俺の年齢とか言っていたけど、お前も頑張れよ」と応酬。「枕の準備をしたほうがいい」と試合で倒すとばかりに挑発すると空気がぴりついた。

 会見にサングラスをつけて出席したカシメロに京之介は「めがね、外しておけ。何、びびっとんねん」とさらに挑発すると、カシメロは「びびってないよ」。京之介は「目標は、こいつを倒して、もう一回ネリとやること。キッチリ倒すからネリには待ってもらおう」と試合にかける意気込みを示した。京之介はネリ、そしてスーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と12月27日にサウジアラビアで対戦するアラン・ピカソ(メキシコ)と連戦して連敗したが、カシメロが「ネリは倒すのが遅かったね(7回TKO)。ボクならすぐ倒すよ。京之介は簡単に倒せる。ピカソと京之介はお互いに弱いので誰でも倒せる」と仕掛けると、両者は一気にヒートアップだ。

 京「お前、1ラウンドから打ち合おう」

 カシ「30秒で終わらせる」

 京「1ラウンド決着や」

 カシ「いくら、賭ける?」

 京「ファイトマネー、全部、賭けろ」

 カシ「レッツゴー!」

 京「やるか? OK」

 さすがに両者のやりとりに亀田ファウンダーが「ファイトマネーの話はここで答えをすぐには出せない。発想は面白いけどね」と割って入った。これで両者は落ち着いたが、フェースオフのにらみ合いは30秒以上も続いた。

 カシメロはライトフライ級、フライ級、バンタム級で世界の頂点に立ち、現在はWBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)6位、IBF11位。

昨年10月の試合で前日計量で体重超過し、日本国内では1年間の出場停止となった。カシメロはこのほど、「SAIKOU×―」とプロモート契約を結び、今回がその第1弾となる。当初は「(元世界2階級制覇)ルイス・ネリ(メキシコ)との対戦を希望した」という。今回が昨年10月、サウル・サンチェス(米国)に初回TKO勝ちして以来の試合となる。

 「カシメロは今の実力はブランクもあるし、まだわからない。SAIKOU×LUSHのリングで体重超過はやめてくれ。体重次第で、今後のことを考える。京之介が勝てば、ネリ戦とか可能性が広がる。どちらにも勝てば大きな舞台が待っている。面白いと思う」と亀田ファウンダー。同氏は7月にキルギスのアンバサダーに就任し、7月末に実施した同国初のプロボクシング興行は大成功だったという。今後の成功は、この両者のファイトも大きな影響を与えそうだ。

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