プロボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅ファウンダー率いる興行「SAIKOU×LUSH」とプロモート契約を結んだ元世界3階級制覇王者ジョンリール・カシメロ(36)=フィリピン=が19日、これまで何度となく“挑発”を仕掛けたスーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一王者・井上尚弥(32)=大橋=に対し、「ナオヤ・イノウエに、興味はもう、ない」と言い放った。都内で行われた次戦の発表記者会見後の囲み取材で話したもの。

カシメロは「昔は対戦したいと言っていたけど、なかなか実現しなかったから」と諦めた様子を見せた。

 カシメロは10月25、26日にキルギスで行われる「SAIKOU×LUSH vol.2・vol.3」で、25日のメインイベントに登場。亀田3兄弟のいとこ、日本フェザー級(57・1キロ以下)7位・亀田京之介(26)=MR=と契約体重58キロ以下(スーパーフェザー級相当)10回戦で対戦することが発表された。

 カシメロはライトフライ級、フライ級、バンタム級で世界の頂点に立ち、現在はWBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)6位、IBF11位。昨年10月の試合で前日計量で体重超過し、日本国内では1年間の出場停止となった。カシメロは昨年10月、サウル・サンチェス(米国)に初回TKO勝ちして以来の試合で、このほど「SAIKOU×―」とプロモート契約を結び、今回がその第1弾となる。

 カシメロは尚弥との対戦が一度は決まったが、新型コロナウイルス感染拡大により、中止に。以降、異常なほどに執念を燃やして何度も対戦を要求してきたが、自身の世界戦延期や体重超過などのトラブルなどもあり実現することはなかった。「ナオヤに興味はない」という発言はメディアを驚かせたが、「(京之介戦で)1回とか2回KOして、いいアピールしたら、ナオヤは俺のことに興味を持つかな?」とポツリ。井上が12月27日にサウジアラビアでアラン・ピカソ(メキシコ)と対戦することが決まったことには「ナオヤにはイージーファイト。早い(ラウンドの)KOで勝つと思う」といち早く予想。さらに井上とスーパーバンタム級転向を表明したWBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人(27)=M・T=との対戦については「いい試合になるだろう。

どちらかがKO勝ちする」と言い切った。「どちらが勝つ?」と聞かれると、しばらく考えて「カシメロ!」と言って笑いを誘った。カシメロにとっては、中谷もまた「ターゲットに入っている」と言い切った。

 現在、36歳のカシメロ。「引退報道はうそだ。SNSでのフェイクニュースは信じない方がいい。俺はこの先も進化を続ける。フィリピンではイノウエと戦えと言われ続けている。それを実現するために、練習する」と最後は“打倒・井上尚弥”の気持ちを出していた。

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