◆世界陸上 第7日(19日、国立競技場)

 男子200メートル決勝で、「アニオタ」最強スプリンターのノア・ライルズ(米国)が、19秒52で優勝。世界記録(19秒19)保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)に並ぶ4連覇を達成した。

レース後のテレビインタビューでは「とても大変な道のりで、厳しい1年だった。大きな“元気玉”が必要だった。こんな素晴らしい観客がエネルギーを分けてくれて、本当に感謝している」と観客に感謝。無観客で行われた21年東京五輪同種目では銅メダルに終わっていただけに「勝っただけでなく、東京に戻って嫌な記憶を書き換えられたことが大きい」と雪辱を喜んだ。次の目標を聞かれると「1つで満足するより、2つほしいでしょ?」と笑い、400メートルリレーでの金メダルを期した。

 世界最速のアニオタの一挙手一投足に集まった約5万人のファンが熱狂した。スタート前に日本のアニメのポーズを繰り出し、力に替えてきたが、準決勝では腰を落とし、左手を左の膝に当て、右手を地面につける人気漫画「ワンピース」の主人公「ルフィ」の「ギアセカンド」ポーズで会場を盛り上げ、絶叫。決勝ではXで予告していた人気漫画「ドラゴンボール」の「元気玉」ポーズを披露。毎試合、ど派手なパフォーマンスでヒーローに変身し、世界の強豪たちを制圧してきた。

 100メートルこそ銅メダルに終わったが、連勝街道をひた走る200メートルでは、予選4組を19秒99で余裕の1着で通過。準決勝は今季世界最速となる19秒51(追い風1・0メートル)でざわつく国立を涼しい顔で駆け抜け、圧倒的な存在感で決勝の舞台に進んだ。

 前回大会は3冠(100メートル、200メートル、400メートルリレー)を達成。

昨夏のパリ五輪では100メートルを制し、200メートルではコロナに感染しながら3位と圧倒的な存在感を見せつけてきた。強さとパフォーマンスで世界を魅了するアニオタスプリンターは、国立でも主役を張り続ける。

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