元空手日本代表の中野大輝(ひろき、26)=TAD=は、昨年パリ五輪と28年ロサンゼルス五輪で空手が採用されず、カラテコンバット転向を決意した。海外で人気の格闘技リーグ。

打撃や投げ技で戦う競技だ。「五輪がなくなって、全日本選手権を目指すってなったけど、カラテコンバットを見て面白いなと」と昨年限りで胴着は脱いだ。寸止めルールの伝統派空手を主戦としていたため、まずはパンチ、キックを用いるKー1で実戦を積むことにした。

 2月にKー1デビュー後は、2戦2勝。「空手の距離と違うし、寸止めから打撃に変わる。パンチが軽いことに気づいた」。ボクシングやキックボクシングでも練習を積み、今夏は約1か月間、タイで武者修行。膝蹴りや、至近距離で戦うムエタイの首相撲から技術を学んだ。

 近大空手部出身。1年時から全日本大会に出場するなど結果を残し、4年時から日本代表入り。21年の東京五輪出場は、かなわず、“次の五輪”もなかった。

 だが、新たな目標を見つけた中野に悲壮感はない。

「Kー1で無敗を維持して、順調にカラテコンバットにいきたい」と目を輝かせる。今秋ごろ予定する次戦へ「KOで倒す」と闘志満々。夢に向かって、歩みは止めない。(森脇 瑠香)

 ◆中野 大輝(なかの・ひろき)1998年12月27日、大阪市生まれ。26歳。3歳から空手を始め、浪速中、高の空手部を経て、近大では1年時に全日本学生で個人3位。4年時の20年、日本代表入り。卒業後は三重県スポーツ協会所属し競技を続けた。今年2月にKー1デビュー。サウスポー。172センチ、67キロ。

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